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ヴイアライヴ解析・完全攻略

 ヴイアライヴが発表された時、視聴者全員プロデューサーとかいうあまりにも混沌としたコンセプトヤバすぎだろと思ってたけど、実際の関わり方を考えると、確かに一理あるとは思わされる。


 関係性について考えると、視聴者と候補生の関わり方は、アイマスで言うところのプロデューサーとアイドルの関係に近い。候補生たちは(本人たちがそれを意識しているか、してないかは別にして)放送中に頻繁にアンケート機能を使った選択肢を提示してくる。


 普段、視聴者はコメント欄を通じて候補生に意思を表示しているが、何らか重要な意思決定を行う際は、この「選択肢」の結果が候補生に明確な影響を及ぼす。

 例えば、「挨拶は何にしようか?」という話題で、提示された2つの選択肢からアンケートで挨拶を決定したことがあったが、これはゲーム的な観点からすれば「挨拶決定イベント」とでもいうべきイベントだろう。ここで選んだ選択肢が、ゲーム終了時までずっと使われるという具合の。


「4つのpostのうち、投稿してから3分でもっともいいねがつくのはどれか?」という企画もあった。これはゲーム的には「信頼度上昇イベント」のようなものだと解釈することができる。選択肢に重要な意味はないが、結果がランダムで、選択肢と結果が一致すると信頼度2段階上昇のようなものだろうか。


 こう考えると、候補生の配信は、ひとつひとつが「候補生のコミュ」と考えることができる。視聴者は、コミュの中で、コメント欄、選択肢(アンケート)、スーパーチャット(投げ銭)で候補生に影響を及ぼすことができる。


 ゲームと違うのは、視聴者が候補生に与える影響は、全くの未知数であるということだ。


 ゲームでは、選択肢でキャラクターの行動が変化するように見えても、反応はあらかじめ定められたものでしかない。しかし、候補生は生身の人間であり、極端な話、選択肢の結果が気にいらない場合は従わないこともあるだろう(ただ、基本的には従うようにという指導はあり、何らかの折衷案のようなものを提示してくるとは思う)。つまり、我々のアクション・リアクションによって、候補生たちは行動を変化させ、「視聴者の望むアイドル」に変容しつつ人気獲得を目指し、一方で、視聴者もそうしたアイドルの努力に応え、更に応援していくというわけだ。


 考えてみれば、これは何もヴイアライヴに限った話ではなく、ライブ配信コンテンツ(いわゆるVtuber的な)では一般的な光景だが、このスキームをヴイアライヴでは「プロデュース」と定義しているということだろう。


 企業Vである以上、候補生たちはゲーム配信等ができず大変だろうと感じていたが、こう考えればゲーム配信ができないというよりしない(まあ局所的にすることはあるだろうが)という方が正しいのかもしれない。なぜなら、ゲーム配信がメインでは、視聴者は候補生に影響を与えることができないからだ。


 この、「候補生が企画を立てる大変さ」については、「週1配信」「アイドル育成プロジェクトでお題を出すことによって、配信の1~2枠はそれに充てることができる」という点でフォローしているように感じる。このサイクルはよく考えられていると思う。また、週1配信、配信時間1時間程度は、単推しでは物足りないため、箱推しに誘導しやすいという点もあるだろう。今後、「他の候補生とのエピソードが披露され、その結果、その候補生の配信も見たくなる」というような誘導が期待される(まあ、現状の視聴人数だと大半被ってると思いますが……)。


 さて、以上のような考えを前提にして、「ヴイアライヴとは何なのか?」を考えると、実はヴイアライブとはアイドル育成プロジェクトではなく、視聴者参加型の人生応援バラエティといったほうが近いことに気付かされる。


 2024年2月という明確なゴールが設定されている以上、視聴者と候補生は、そこに向けてひたすら進んでいくことになる。その過程で、少なくない時間を共有することになる。その集大成として「デビューできるか、できないか」があるわけだが、勿論デビューできれば嬉しいが、仮にデビューできなくても、その過程と結末には”ドラマ”がある。

 

 視聴者の目的は、2024年2月という結末を、よりドラマチックに迎えることである。であれば当然、できるだけ初期から、できるだけ前のめりに参加するほうが、「ヴイアライヴ」というコンテンツを満喫することができるだろう。