上記に書く隙間がなかったので、補記になります。
上記のエントリよりもう少し踏み込んだ内容になります。
■登録者数10万人という数について
石川社長のいう「登録者数10万人」という数は、見た目より数倍難しいという印象です。もちろん、10万人という目標が容易でないことは皆さんご理解いただけていると思いますが、そもそも、アイドルマスターチャンネル(総合チャンネル)の登録者数が39.3万人なわけで、「アイマス」という界隈で活動しているだけでは、とても達成できる数字ではありません。
このことからも、ヴイアラがこの目標を達成するためには、アイマス界隈を土台としつつも、どこか別の界隈を切り開いていかなければならないということがわかります。
候補生時代、ヴイアラへの批判の中に、「しょせんはアイマス界隈で客を回しあっているだけ」というものがありました。去年を考えれば、それは的を射た意見だと言わざるを得ません。
実際のところ、ヴイアラは当初、アイマス外に売っていこうという気配がありました。しかし、様々な要因から、それを早々に引っ込めたと個人的には感じています。その方向性で勝負するには、当時のヴイアラをとりまく状況も悪ければ、演者の実力もまるで足りていなかったという判断だったのかもしれません。
候補生時代の1年を通じて、彼女たちは飛躍的に成長しましたし、ヴイアラに対する逆境によって、「土台」になるファンが形成されました。これにより、ようやく「アイマスの外」に打って出られる状況が整ったのではないかなと思います。
個人的には、ここからはアイマスの外でファンを獲得していくために、アイマス要素自体は残しつつも、アイマスの「匂い」は少しずつ脱臭していかなければならないと考えていますし、ファンの割合としても「アイマスを知らない」「興味もない」人間が増えていかなければならないと思っています。正直、ヴイアラ界隈でよく言われる、「ヴイアラはVtuberではなく、実在しているアイドル」的な話すら、広まる必要はないと思っています。
■ヴイアラの新しいフィールド、Vアイドル界隈
では、ヴイアラが新しく切り開いていく市場というのは、どこなのでしょうか? それは、最近のアプローチ先を見れば「Vアイドル界隈」だということがわかります。
正直なところ、Vアイドル界隈は、まだまだ規模の小さな界隈です。先駆者が長い時間をかけて少しずつ開拓してきた場所ですが、まだまだマイナーな市場だと思います。ですから、ここに参入したことでヴイアラの登録者数が簡単に伸びる、というわけではありません。
むしろ、ヴイアラは先輩たちと協力しあって、この界隈を盛り上げる役目があると思っています。ファンとしても、ただヴイアラだけを見るのではなく、広くVアイドル界隈の先輩がたの活動に目を向け、配信を見るなり、曲を聞くなりして、微力ながら盛り上げに貢献していければなと思っています(もちろん、これはあくまで私個人の考えであり、「ヴイアラのファンはVアイドル界隈の盛り上げに協力するべき」と考えているわけではありません。ヴイアラのファンがヴイアラだけを追うのは当然のことです)。
■コラボによって客を「奪う」ことはできないが、「増やす」ことはできる
ヴイアラがVアイドル界隈に参入したことで、コラボ配信などが増えることが予想されます。「ヴイアラを知ってもらえる機会!」とばかりに過剰に宣伝したい気持ちもわかりますが、個人的には、そのプレゼンの熱量に見合うほど、コラボによって熱心なファンは増えないと思います。
そもそも、コラボでヴイアラを知る場合、すでに誰かの熱心なファンである可能性が非常に高い。そういう人にとって、コラボで「多少気になる」相手ができたところで、それは「暇があれば見てみようかな」程度の気持ちであって、ヴイアラにめちゃくちゃに入れ込んで、今まで推しに使ってたお金も時間もヴイアラにつぎ込むぞ! というレベルにはならないでしょう。
しかし、「推しを増やす」ことは可能だと思っています。そのためには、ツイックスなどで「興味がある」「何かいい動画(または切り抜き)あるかな?」「どうすればいいんだろう?」と表明している人を取りこぼさず、さり気なくおすすめ動画なりを紹介していく草の根活動がもっとも効果的かと思い、できる限り実践しています。
これは、名指ししない熱心なプレゼン資料より、名指しで動画を貼り付けられたほうが、「実際に見る」確率が高いという経験に基づいています(自分がそうだから、というのもあります)。
■「ヴイアラはアイマスに貢献しないのか?」→将来的にはすると思う
このように書くと、「でもヴイアラはアイマスだし、それを捨てて欲しくない」と思う方もいらっしゃるかもしれません。個人的にはアイマスに興味がないのでこの部分についてはあまり深く考えていないのですが、やはり、最終的なヴイアラの仕事は、「アイマスに新しい客層を連れて帰ること」だと考えています。そのためには、「アイマス」という匂いが前面に出てしまっていると、アイマスを知らない客層が取っ付きづらい、居付かないということです。
ヴイアラは、「アイマスに貢献するために、アイマスを脱臭しなければならない」という、非常にバランス感覚が難しい舵取りが求められているように思います(個人的には、「アイマス部分」を最低限維持するための「876プロ所属」だと思っています)。
■終わりに
ヴイアライヴというのは、見れば10人中7人くらいは面白く思ってくれるコンテンツだと思っています。しかし、世の中には「10人中7人くらいは面白く思ってくれるコンテンツ」があふれているということは、決して忘れてはいけません。
ヴイアラは、候補生同士で競争することこそなくなりましたが、さらにシビアな世界に飛び込み、常に競争にさらされています。ただファンとして彼女たちの活動を受け取るだけでなく、何らかの形で、無理のない範囲で還元できればなと思っています。
以上