「君、影薄いね」と貴方は言った

ネットの片隅に生きるだらだらしたフォーブログ

ヴイアラの遊び方の手引書

 なあ、クリスタラインしようや……。

 

 

■はじめに

 ヴイアラも3年目を迎えました。色々ありましたが、誰一人欠けることなく今もプロジェクトが継続していることは、大変喜ばしい限りです。

 このエントリでは、あまり触れたり言語化する機会がない、「他人はヴイアラをどう遊んでいるのか?」という疑問について、私自身の体験を例にあげて解説していこうと思います。

 先に申し上げておきますが、これはあくまで「一例」に過ぎません。ヴイアラにどういう楽しみを見出すかは、人によってさまざまです。ただ、「こういう遊び方があるのか」と思っていただければなと思い、エントリにすることにしました。

 

■遊び方≒プロデュースごっこ

 さて、私はヴイアラのファンをさせていただく前から、「体感型エンターテイメントを楽しむプロ」を自称させていただいております。最近のエンタメ業界で言われる「イマーシブ」的なものではなく、例えば「30代のおっさんが心を女子高生にして、女子高生でごった返す映画館で告白実行委員会の映画を見る」みたいなやつです。

 改めて表現すると気が狂っているようにしか思えませんが、とにかく私は「自分の価値観とまったく噛み合わないもの・理解できないもの」を体験しにいき、そこに自分から心を預け、楽しみを見出すことが好きなのです。

 

 さて、本題に入ります。

 私は、一度も自分のことを「プロデューサー」と言ったことはありませんし、今でも思っていません。一方で、ヴイアラの「遊び方」の中には、いわゆる「プロデュース体験」的な楽しみ方もあることは事実です。つまり、「体感型エンターテイメントのプロを自称するわたくしが、どのように「ヴイアラのプロデュース」という遊びに取り組んでいるのか?」というのが、このエントリの趣旨になります。

 

 ここでいう「プロデュース体験」とは、つまり、「どのようにしてアイドルの魅力を発見し、方向性を後押しし、結果につなげたか」ということです。

 

 最初に言っておきますが、こんなものはただの思い込みです。

 当たり前ですが、ファンのご意見を運営なり、アイドルなりが受け止めていると考えるほうがどうかしていますし、そもそも、まともに読んでいるかどうかすら怪しいと思います。あくまで、「こう思い込んで悦に浸ることができる」というご紹介であって、決して「運営やアイドルに自分の意見を反映させられる!」と言っているわけではないことに注意してください。

 

■必要なもの

 この遊び方をする上で、お金は一切必要ありません。この遊びに必要なのは時間と、中間評価や、ファンの間では「役に立たない」「やっても無駄」と思われているヴイアラPDCAに真摯に向き合う姿勢です。この記録が残っているとなお楽しめます。

 

■具体的事例 ~灯里愛夏が定期的な声優との対談を行うまで~

 ここからは、「灯里愛夏さんが、定期的に声優との対談配信を行っていくことに成った」という「結果」を例に、そこに至るまでにどのような「プロデュース体験」があったのかを見ていきたいと思います。

 

・最初の印象(2023年5月31日「最近、ヴイアライヴを見ています。」より)

 愛夏に対するファーストインプレッションです。ここで書いてあるとおり、この時の愛夏さんには自信を持って「これ」と言える強みがありませんでした。ですから、最初は愛夏さんに「強み」を与えるところからスタートしなければなりませんでした。

・「強み」の発見(2023年8月1日「ヴイアラ最強リセマラランキング」より)

 実は、初回の中間評価だけは記録を残していなかったのですが、そこでも確か、強みの欄に「表現力が強み。将来、声優にチャレンジするときに活かせるよう、ヴイアラを踏み台だと思ってさまざまな経験を積んで欲しい」的なことを書いたように思います。

 愛夏さんご自身が、控えめながら「表現力することが好き」というようなことを仰っていたこともあり、その「好き」に自信を持ってもらい、自分の中で「強み」に昇格してもらえるよう、より具体的に「受け手として、どこが良いと感じたか」を言葉にしています。

 

・「強み」をどうしたらもっと伸ばせるか? という意見の表明(2023年8月31日「完全攻略ヴイアラアルティマニア」より)

 この頃の愛夏さんは、まだ気持ちが先行している段階で、実際の取り組みに甘いところがあると感じることがありました。その印象を正直に伝え、配信にしろ、役を演じるにしろ、「何をどのように行うのか?」というプランが重要だと認識してもらうことで、「表現力」という強みをさらに伸ばせればと思って書いたように思います(なにせ2年前なので記憶が……)。

 

・「強み」の開花(2023年10月1日「ヴイアラ9月評価 愛夏編(1786文字)」より)

 後押しの甲斐があり、いわゆる「9月回」で愛夏さんの「強み」が大きく花開きました。また、PRの構成もよく練られており、プランの重要性について意見を送った甲斐があったなと思いました(別に、私の意見が反映されたわけではありませんが)。

 こうして自分が「これが必要だ」と考え、意見として送った部分について、それが実行された際には、できる限り言葉を尽くして褒めることを意識しています。もし自分が言われたことをやったのに、それを当然のようにスルーされたら、普通にがっかりしますからね。

 

・「構成力」を強みとして推していく(2023年12月3日「ヴイアラ11月備忘録」より)

 9月回で、愛夏さんの「”エンターテイメント”を構成する力」に可能性を感じたので、その点を強く推していくことにしました。実際のところ、11月回の愛夏さんは、順位的には残念な結果になってしまったわけですが、その敗北を分析し、「決して内容で負けていたわけではなく、今回は「評価される軸」ではなかっただけ。むしろ、番組構成としては一番良かった」と伝えることで、自信を失わないようにフォローしています。

 

・「表現力」の成長に対する評価・後押し(2024年7月7日「ヴイアライヴ デビュー後中間審査1回目 灯里愛夏編」より)

 ここら辺になってくると、もう愛夏さん自身がはっきりと目標を見据えて活動していて、私から言うことは特に何も無くなってきています。ですから、ここでは「愛夏さんが目指しているであろう方向性」に対して、「成長しているのが伝わってきているよ」と意見を送ることで、背中を後押ししています(多分)。

 

・「構成力」の成長に対する評価・後押し(2024年8月28日「ヴイアラPDCA 8月評価 灯里愛夏編」より)

 構成力に関しても、この頃にはもう、愛夏さん自身が「エンターテイメントを構成する楽しさ」をかなり自覚していたように思います。ですから、その点を私に可能な範囲で評価しました。

 

・「構成力」に関する方向修正についての意見(2024年10月31日「ヴイアラPDCA 10月評価(厳しめ) 灯里愛夏編」より)

 わたくしは基本的に「褒め」でやらせていただいているわけですが、時にはこうして、自分が覚えた違和感を、正直に伝えることもしています。「自分が褒めたポイントだから、そこを否定するのもちょっとな……」と躊躇した結果、あれよあれよと望まない方向に進んでしまうということは、とてもよくあることだからです。

 一般的に、自分が向いた方向がいまいちだと感じたとして、それを修正しようとする場合、早ければ早いほど修正は簡単に行えます。もしかしたらその「きっかけ」になるかもしれないので、見ていて違和感を覚えたポイントについては、早々と指摘することにしています。

 

・実を結んだ「構成力」を評価・後押し(2025年2月4日「ヴイアラPDCA 202年1月分 灯里愛夏編」より)

 2023年8月の段階では実践が伴っていなかった(という印象だった)プロ意識が、今年の1月にはすっかり身についていることがわかりますね。これを書いたとき、2023年8月に書いたことなどすっかり忘れていたわけですが、結果としてこの部分の成長も褒めることになりました。

 

 2025年1月には、「アクア☆マジックさんとの対談」という、声優対談企画のプロトタイプとでもいうべき企画がありました。この企画に対する印象は書いてある通りです。私が愛夏さんの強みとして推してきた「エンターテイメントを構成する力」が、こうした形で結実したことは感無量でした。この企画を1回で終わらすのは非常にもったいないと感じたので、具体的に「どういう面白さがあったのか?」を言葉にして伝え、シリーズ企画にしませんか? と要望を出しています。その結果ではありませんが、3月にはMachicoさんとの対談がありました。

 

・そして現在

 このように、私は2年をかけて、愛夏さんの「声の表現力」「演技力」「エンターテイメントの構成力」に魅力を見出し、その方向性を後押ししてきました。その結果として、愛夏さんはアイドルの道と兼任して役者を目指すことになり、「その分野の先輩と対談する」という配信企画がスタートすることになりました。

 こうして振り返ってみると、なかなか一本筋の通った「ストーリー」のあるプロデュース体験だったのではないかなと思います。
 

■クロニクル(年代記)を紡ぐのは、アイドルだけとは限らない

 さて、最初にも触れましたが、こんなものはただの思いこみにすぎません。はっきり言って、彼女たちは彼女たちがしたいこと、目指したいことに向かって運営と協議しながら活動しているだけで、リスナーである我々の”ご意見・ご感想”が彼女たちの方向性になにがしかの影響を与えることはありません。

 しかし、我々には、アイドルたちに干渉しない範囲で、起こった出来事を自分のファン活動に結びつけて楽しむ自由があります。これが、私の思うヴイアラの遊び方のひとつです。

 

 vα-livの「クリスタライン」という楽曲に、「時間にとぎすまされる結晶のクロニクル」という歌詞があります。これはもちろん、長い時間の中でアイドルたちがさまざまなことに出会い、経験し、想い出にしながら成長していくことを指した歌詞だと思います。しかし、彼女たちが「vα-liv」として活動しているのと同じように、我々も「vα-livのファン」として活動しているわけです。もちろん、その活動の中で、我々にもさまざまな経験があり、多くの想い出が作られていくはずです。

 個人的には、中間評価やヴイアラPDCAは、こうした「我々の想い出づくり」のフックとしての役割のほうが大きいように感じています。みなさんも、こうしたフックを使い、より積極的にヴイアラを楽しんでみてはいかがでしょうか?

 

■「ヴイアラで遊ぶ」コツ・1

 最後に、個人的な「ヴイアラで遊ぶときのコツ」をご紹介します。

 まず1つ目は「打ち出された方向性を肯定すること」です。

 

 先程は「なかなか一本筋の通った「ストーリー」のあるプロデュース体験だった」と言いましたが、これは決して偶然ではありません。これは「彼女たちが打ち出そうとしている方向性」を肯定し、その部分について、「より良くなるためにはどうすればいいか?」を考えた結果だからです。

 

 先日のソロ勝股の部屋で、改めて「ワンプロジェクト・パーソナルブランディング」(各メンバーの個性を重視したソロ展開を中心に活動)という方針が発表されましたが、基本的に彼女たちは自分で自分の方向性を考え、そのための方針を定め、日々の配信に取り組んでいます。この部分は、彼女たちがヴイアラとして活動する上で根幹になる部分であり、ここを否定しても、彼女たちがその方針を大きく変更することは絶対にありません。

 

 であれば、我々にできることは、「この方向性だとここが良かったよ」「ここはちょっとイマイチに感じたから、もしかしたらこうすれば良くなるかもしれないよ」と伝えることしかありません。これが、下図におけるコンセプト2「コミュニケーション」だと考えています。

 彼女たちが今、我々に提示しているものは、「現状で取れる選択肢の中で、最大限に「自分の方向性」にマッチしているもの」のはずです。彼女たちに寄り添うのであれば、提示されたのがどのようなものであったとしても、最大限にポジティブにとらえ、仮に否定的な見解を表明するにせよ、「この方向性であれば、こうすればもっと良くなると思う」というような、改善に繋がるものであったほうが良いように思っています。

 

 殴るなら、運営を殴りましょう。

 

■「ヴイアラで遊ぶ」コツ・2

 ヴイアラで遊ぶコツの2つ目は、彼女たちや運営から発せられる「予兆」を敏感にキャッチし、それに乗っていくことです。

 

 愛夏さんの例でいえば、「アクア☆マジックさんとの対談」というのは、2024年までの愛夏さんの配信にはなかった試みです。こうした新たな試みが行われるということは、大抵の場合、運営内部でそれを行える環境が整い、スタートしたことを意味します。つまり今後、「似たような企画」が正式に打ち出される可能性が非常に高い。それを察し、その流れに乗っていくことで、「自分の意見が運営や演者を後押しした」という”錯覚”を手に入れることができるというわけです。

 

■おわりに

 私が実践している「ヴイアラの遊び方」をご紹介しました。

 活動3年目を迎え、彼女たちはこれまでよりもさらに一歩踏み込んだ活動に挑戦しようとしています。ヴイアラの遊び方・楽しみ方は人それぞれですが、今回ご紹介したような楽しみ方をはじめるなら、今がちょうどいい機会だと思います。

 ぜひ、多種多様な「ヴイアラの遊び方」を体験してみてください。

 

 以上。