実は2週間ほど前から書こう書こうと思っていたんだよ。本当だよ。
■はじめに
Xでヴイアラについて検索していると、たまに「レトラは歌が上手、宇宙はダンスが上手、そして愛夏はパリィが上手い」というような冗談を見かけることがあります。
私は、この冗談が好きではありません。というか、はっきり言って嫌いです。これではまるで、愛夏の歌やダンスに魅力がないようじゃないですか?
もちろん、こうした冗談をいう人が悪意を持って言っているとは思いません。しかし、「オチ」担当に使われる側の心には、少しずつ澱が溜まっていってしまうものです。ましてや、候補生時代、自分に芸歴がないことを気にしていた愛夏さんにとって、こうした冗談が当たり前のように使われることはあまりいい影響を与えないのではないか……と杞憂してしまうわけです。
というわけで、今回は私が思う「灯里愛夏」の魅力について考えていきたいと思います。今を逃すと、「言われたから書いた」と思われそうで癪ですからね。
■歌
個人的な愛夏さんの歌の魅力は、声の演技を活かした表現の幅です。TLSの頃から、「君の喉はどうなっているんだい?」と疑問に思うほど声の帯域の切り替えが早かった愛夏さんですが、「虹の王国の物語」ではとうとう、歌って踊りながら二役を演じる程になってしまいました。また、先日の歌枠では、パートごとに先輩アイドルの声に寄せて歌う(しかも似ている)という離れ業も披露していて、その進化は留まることを知りません。これはヴイアラの中でも愛夏さんだけが持つ、唯一無二の強みです。
また、特筆したいのが愛夏さんの音源での歌唱です。
まず、抜群の安定感があります。そして単純に上手い。個人的に、音源での歌唱はヴイアラの中でも一番だと思っています。カバーEPの「CRYST@LOUD」とか素晴らしかったですからね。
また、こういうと妙な感じがしますが、愛夏さんの音源での歌唱は、「灯里愛夏」というキャラクターを完璧に表現しています。「愛夏さんや我々がイメージする、アイドルとしての灯里愛夏」とでも表現すれば良いでしょうか? 歌いながら、こうしたキャラクターを表現できるというのは、さすが声優を目指しているだけのことはあるなと感心させられます。
■ダンス
美しい……。
本人的には、学んできたダンス(モダンバレエ)がアイドルのダンスに活かせないことを悩んでいるということは知っています。しかし、愛夏さんのダンスは優雅さがあり、そして美しさがある。
確かにアイドルグループとしてのダンスには向かないのかもしれません。しかし、別にソロだったら関係なくないですか? どうなんでしょう、私はそこら辺は詳しくないので何とも言えませんが、私は愛夏さんのダンスの美しさは明確な武器であり、誇るべき部分だと思っています。
■宣伝活動
愛夏さんは自分の配信の切り抜きを自分で作り、少しでも多くの人に「面白さ」を共有し、配信を見てもらえる機会を作ろうと努力しています。
切り抜き動画を作ろうと思ったことがある人はわかると思いますが、短い動画を作るだけでもとんでもない労力がかかります。それを、レッスンや養成所に通いながらあれだけの量を作るというのは、並大抵の熱意ではできません。ましてや、愛夏さんはヴイアラに参加した当初、パソコンの電源を入れることができなかった(らしい)わけですからね。彼女の配信にかける情熱は、我々が思っているよりずっと強いものだと驚かされます。
■配信
配信者にはさまざまな種類がいて、その面白さもさまざまです。
私は、愛夏さんの配信は「視聴者参加型」だと考えていて、それを可能にしているのが愛夏さんの「面白さのためなら自分を下に置くことも厭わないエンタメ精神」だと思っています。
例えばSEKIROで言えば、愛夏さんが「にんにん!」と言いながら、ぜんぜん忍ばずに正面突破で敵に突っ込んでいく。それを見て我々は、「忍んで」「にんにんって言えばいいと思うな」「目撃者を消せば問題ないぜ!」などとツッコみます。
しかし、愛夏さんのボケが中途半端では、我々もツッコみづらい。だからこそ、愛夏さんは大げさにわかりやすくボケてくれるわけです。「自分から進んで派手に道化を演じる」というのは意外と難しいもので、あの若さでありながら、面白さのために道化を演じられる愛夏さんからは、配信に対するプロ意識の高さ、「視聴者と一緒に配信というコンテンツを作り上げたい」という強い想いを感じます。
■構成力と、それを可能にするリサーチ力・タイムキープ力・トーク力(+聞く力)
観劇が趣味なだけあって、愛夏さんは物事の構成力に抜群に優れています。誕生祭のような物語仕立ての構成はもちろん、普段の配信でも、愛夏さんの配信には一本の筋があり、非常に見やすいと感じます。
この構成力が活かされているのが対談企画です。
愛夏さんの対談企画をご覧になった方にはご理解いただけると思いますが、1つの番組として完璧に成立していています。これは事前に相手のことをリサーチし、どのような話を展開するかという段取りがしっかりしていなければ出来ないことです。加えて、その段取りをスムーズに実行できるタイムキープ力や、相手の話を聞き、それに適切な返答ができるトーク力、かと思えばあえて相手に切り込んでいける大胆さなど、対談企画の愛夏さんの「優れている点」は、挙げていけばキリがありません。
個人的に、これほどしっかり「番組」を成立させられる才能は、ヴイアラだけでなく、多くの配信者の中で見ても稀有なものではないかと思っています。
■リスナー(灯され隊)
「自分がヴイアラに案件を投げるとして、誰にやってほしいか?」を考えたことがあるのですが(別に案件を投げるような仕事はしていません)、私なら愛夏さんに案件をやって欲しいなと思います。
それは、愛夏さん本人が「一番、社会人としてしっかりやってくれそう」というのもありますが、愛夏さんには灯され隊がついているからです。
もし自分が何らかの商品をPRしたいクライアントだったとして、商品にいちいち茶々入れをしてきたり、揚げ足を取ったりするようなリスナーが大勢いる配信者に案件を頼みたいと思うでしょうか? 普通は、その商品のいい部分を見て、感心したり、ポジティブな感想を言ってくれるリスナーが大勢いる配信者に案件を頼みたいと思うのではないでしょうか。
その点で言えば、愛夏さんのリスナーは非常に素直でポジティブな人が多い。愛夏さんと一緒になって、紹介されている商品なり、企画なり、ゲームなりを盛り上げていこう! という人が多く、安心感があるなと個人的には感じています。
これは愛夏さん本人の魅力というわけではありませんが、愛夏さんの人柄や、今までの「一緒に配信を作っていこう」という取り組みがリスナーを育て上げたと考えると、愛夏さん独自の強みなのではないかと思います。
■行動する力
みなさんは「暗いと不平を言うよりも、進んであかりをつけましょう」という言葉に聞き覚えがありますか? これはかつて、朝のくっそ早い時間にやっていた「心のともしび」というよくわからん番組の冒頭で流れていた、マザー・テレサの言葉です(今もラジオでやってるらしいですね)。
この言葉は、「物事に対して不平不満を言う前に、自分が率先して行動することで現状を変えていこう」という意味で、私は愛夏さんを見るたび、この言葉を思い出します。
自分から暗闇に足を踏み出してあかりを灯し、あたりを明るく照らすことができる才能は、ヴイアラやアイドルに限らず、彼女の人間として優れた部分だと強く感じています。
■最後に
これまで挙げてきたように、愛夏さんには、多くの魅力的な部分があります。もちろん、ここでは挙げられなかった良い部分が、もっともっとあることでしょう。そういう「いい部分」「魅力的だと思う部分」を、ぜひ月ごとの評価や、中間評価に書いて、彼女に届けてあげてください。口にされない想いは、無いと同じですからね。
以上。