読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

「君、影薄いね」と貴方は言った

ネットの片隅に生きるだらだらしたアラサーブログ

Nintendo Switch発表と株価の下落について、その仕組みを考える

まとめ

・「Nintendo Switchの失望が任天堂の株価下落に繋がった」というのは、正しい理解なのか? →そうではないと思う。

・アナリストの言うことは全部後付けだから鵜呑みにするべきではない。

・相場はエンターテイメントだから、楽しめるようになってみよう!

 

■はじめに

 ときに株価は、一般的な視点から見た場合、「何故?」と思うような動きをすることがあります。

 

 ここでは、直近で起こった任天堂の新ハード発表とそれに伴う株価変動」を例にとり、「株価が不可思議な動きをするのはなぜなのか?」という疑問に対する答えを、私なりの視点で回答したいと思います。

 

※注意点

・相場観は個々人で大きく違います。今回ご紹介するのは、あくまで私の相場観です。

・昨今では、相場全体の流れは常に変化しており、今回ご紹介する視点が明日も通用するかどうかはわかりません。

 

■多くの人が疑問に思った「株価の下落」

 ゲームに疎い方でも、「任天堂の新ハードが発表された」というニュースは、ご存じの方が多いと思います。

 Nintendo Switchの発表翌日、任天堂の株価は大きく下落したことは、様々なメディアで取り上げられ、インターネットの三流タブロイドでも大きく取り上げられました。

 

 これに対して、私のTLでは「何故、株価が下がったんだろう? 魅力的なハードに見えたのに」という声や、「投資家はゲームをしていないんだな」という声が散見されました。

 

 私から言わせると、任天堂の株価は下がるべくして下がったわけですが、確かに一般的な見方をすれば、「ポジティブな内容だったにも関わらず、何故、ネガティブな反応が起こったんだろう?」と疑問を覚えるのももっともです。

 

 では、なぜ、任天堂の株価は大きく下がってしまったのでしょうか。

 

■アナリストのいう「株価変動の分析」は、全て後付け

 株価の下がった理由について、少し検索するだけでも、様々なサイトが分析を掲載していることがわかります。

 

【深層】ニンテンドースイッチ発表で任天堂の株価が下落した理由
http://www.toushin-1.jp/articles/-/2200

 

 例えば、上記のサイトでは、「真新しさがなかったこと」がその最大の要因であると分析しています。確かに、Nintendo Switchのコンセプトに真新しさがあるかといわれれば、特にないと私も感じています。

 しかし、だからといって、株価が大きく下落するほど悲観的な内容だったかといわれると、そういうわけでもないと思います。

 実際のところ、こうした「株価変動の理由」に関して、正確に把握できるアナリストは皆無と言っていいでしょう。こうした分析は、あくまで「起こった事象に対して、どういった意味付けを行えるか?」という、言ってしまえば付けでしかありません。

 

 もし、今回の発表で株価が大きく上昇したとすれば、こうした分析は全て、「新ハードのコンセプトが真新しかった」「PVのつくりが、任天堂が力を入れてこなかった、所謂「ゲーマー層」に訴えかけるつくりであり、期待感が高まった」などと書かれていたことでしょう。

 

■短期的な投資に理由は不要。必要なのは「小さなきっかけ」と「タイミング」!

 実際のところ、投資というものはタイミングに重きがおかれており、発表内容のポジティブさ、ネガティブさは、短期的な部分では特に関係ありません。

 

 今回、任天堂の株価に大きく寄与したと私が考えているのは、投資の世界に古くからある「噂で買って事実で売る」という格言です。

 

 投資の世界では、事前にリークされた決算内容がかなり良好で、事実、その通りの内容が発表されたにも関わらず、直前まで上がり続けていた株価が、表と同時に大きく下落することがあります。

 今回の事例は、まさにその典型的な例だと言えるでしょう。

 

 職業投資家は、常に「決済ができるタイミング」を狙っています。今回のような「大型発表の直後」は、「決済するタイミングとしてちょうど良かった」というのも、今回のような事例に繋がる要因のひとつと考えられるでしょう。

 

■市場を動かすのは、個人ではなく一部の大手

 現在の投資の世界では、市場の動きを決定するのは、個人ではなく一部の大手、所謂ヘッジファンドの方針次第です。例え、個人が「今回の内容は良かった」と感じても、大手が最初から「噂で買って事実で売る」方針を固めていたなら、「事実」の発表直後に、短期的な株価は下落してしまいます。

 

 つまり、短期的な株価は、あくまで「大手投資機関の意思によって変動するもの」であり、企業の価値や、発表された内容の善し悪しを判断できるものではないということです。

 それらを判断したいのであれば、短期的な株価変動よりも長期的な(少なくとも、1~2ヶ月以上の範囲での)株価変動に注目するべきでしょう。

 そういう意味では、今年半ばには13,000円台だった任天堂の株価は、現在ではその倍近くに上昇しており、企業価値の評価は大きく上がっていると言えます。

 

 もっとも、この株価の上昇については「ポケモンGO」による部分が大きいわけですが、Nintendo Switchが市場に評価されているのであれば、今後、任天堂の株価は緩やかに上昇していくでしょう(少なくとも、Nintendo Switchの発売までは)。

 

■おまけ:三流タブロイドのネガティブ記事は、株価操作が可能なのか?

 あくまで個人的な意見ですが、ネットの三流タブロイドに株価を変動させるような力はないと考えています。

 その理由は、三流タブロイドの客層に投資家が少ないと考えられること、例え投資家がいたとして、三流タブロイドの情報に左右されるような投資家が、株価に影響を与えるほどの株保有数を持っているとは考えづらいこと等です。

 

 但し、ヘッジファンドの使う取引手法のひとつにアルゴリズムと呼ばれるものがあります。これは、特定のキーワードを設定し、Twitter等でそれらの単語を検索。一定数のヒットがあった場合に売買を行う、というものです(多分)。

 

 三流タブロイドの記事をTLに流すことで、その記事タイトルにアルゴが反応してしまうことがないとは言えません。

 

天皇アルゴ?天皇陛下「生前退位」に反応するアルゴリズム日経平均先物で作動か

http://kabumatome.doorblog.jp/archives/65867770.html

 

 直近で起こった、面白いアルゴリズムの誤反応(と噂されているもの)はこれでしょうか。

 

 但し、こうした誤反応が起こる可能性は、三流タブロイド記事の拡散を考えれば少ないのではないかというのが、個人的な感想です。これを元にしてタブロイド記事を流すのが云々というのは、無理があると感じます。

 

 それをいってしまえば、例えば「何故、任天堂の株価が下がるんだろう?」という疑問でさえ、任天堂」「株価」「下がる」というキーワードに引っかかる=追い打ちの売りを誘発する可能性があり、迂闊な発言は何も出来ないことになってしまうからです。

 

■最後に

「何故、今回、任天堂の株価が下落したのか」について、簡単に、かつ個人的な観点からではありますが、その仕組みをご紹介しました。

 

 相場とは、過去を知ることで未来を予想する、一種の学問であると同時に、予想の範疇を飛び越えて動く良質なエンターテイメントでもあります。

 相場の動き方のパターンを知り、起きた事象に照らし合わせて今後が予想できるようになれば、市場を見るのが楽しくなるはずです。

 

 相場というエンターテイメント、ぜひ、みなさんも体験してみてください。