「君、影薄いね」と貴方は言った

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ヴイアラ9月評価 宇宙編(5554文字) #ヴイアラ 

※ヴイアラでは、3ヶ月毎に四半期評価として、アイドル候補生を評価することができる。いつも、書いたあと何を書いたか忘れてしまうので、月次評価に代えて記録を残すことにする。

 

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■はじめに
 思うことを書いていたら、非常に長くなってしまいました。文章中、「~するべき」のような強い表現があるかもしれませんが、表現上そうなっているだけなので気にしないでください。
 私から見た宇宙さんのイメージに対して、「ここはそうかも」とか「ここは違うんじゃない?」と思うことがあれば、その点を深掘りし、「宇宙」というキャラクター構築の助けにしていただければ幸いです。

■まとめ 悪い点
・宇宙には自分自身をコントロールする訓練が必要。
・メンタルの弱さが浮き彫りになったと感じた。
・いい印象はなかったかもしれないが、前のグループの時に言われたという「完璧でいろ」(要約)という言葉自体は間違いではない。
・もっともっと、全てにおいて計算高くなれ。
・ゲーム配信はキャッチーな題材だが、もう少し丁寧にやって欲しい。
・思ったより9月番組のダメージは残っていないようで安心した。
・9月パフォーマンスを失敗したことで生まれてしまった「ドラマ」についての所感
・もっと他人ではなく、自分のために活動していい。
・理想を高く持つなら、もっともっと努力しなければいけないかもしれない。

■まとめ 良い点
・前回書いた「コメント拾いの取捨選択ができていない」に対して、すべて拾ってネタにしていく方向で解決したのはお見事。
・「配信ができるアイドル」という目標設定が自分で出来ているのは高評価。
・高音の透明力・表現力に光るものがあると感じる
・9月パフォーマンスを見て確信したが、世界観を構築する力が大きな武器になるはず。
・楽しそうに歌うところが一番魅力的。
・「ギャップ萌え」を目指してみよう!
・(許されるかはおいといて)もっと配信の企画段階から関わってみてはどうか?
・数字に対する貪欲さは個人的には評価しているが、リスクもあるので上手くやろう!

■本文

 9月までの活動、お疲れ様でした。
 今回の評価に関して、どういう風に伝えるか迷いましたが、変に取り繕うと意見が伝わらないと思いましたので、率直に書かせていただきます。

 良い点と悪い点があり、今回はまず悪い点からお伝えしようと思います。良い点が先に読みたい場合は、先に下の方から読んでいってください。

 まず、宇宙さん自身も痛感していると思いますが、9月番組時に泣いてしまった点は評価できません。やはり、何らかの「プロ」を目指す以上、ある程度は自分をコントロールする技術は必須だと考えています。今回の件は、「歌う時、考えすぎてしまって上手く歌えない」と自分で話していたことの延長線上にあるように思います。言い換えればそれは、自分自身をコントロールする手段をいまだに構築できていないということです。それが、明確な欠点として浮き彫りになった結果、今回の件に繋がってしまったという印象です。

 このことから、現在の宇宙に最も必要なのは、技術的な要素ではなく、メンタルトレーニングだとはっきり感じました。宇宙さんは、技術的にはどれも高水準で取得しています。その技術を安定して発揮するために、土台となるメンタルの弱さを克服することが急務であるように思います。

※余談ですが、メンタルについては、単純に自分自身のコントロールの部分だけでなく、「活動の寿命」への対策も含んでいます。先日、知名度のあるVtuberが精神的不調を理由に無期限活動休止を発表しましたが、このような不調は誰にでもありえることです。これから半年は大事な時期なので、あらゆる可能性について検討し、それに対策していくべきでしょう。

 また、「前のグループの時に、自分を出すな、完璧でいろと言われた」というようなことを言っていたと思います。 この言葉は、宇宙さんにとってはいい印象がないかもしれませんが、ある一面では正しいように思います。
 当時、どのようなシチュエーションで言われた言葉かはわかりませんが、個人的には「人格を消して、完全無欠のアイドルでいろ」という意味ではなく、「迷うな」という意味でこの言葉を使いたいです。
 配信者である以上、ある程度の素が出してしまうのは避けて通れません。この点に関して「自分を出すな」とは言いません。しかし、さっきも言った通り、プロである以上、自分自身のコントロールについては気を使わなければなりません。自分の腕の長さを正確に把握していなければ、それを振り回した時に思いもよらない結果を引き起こすことになります。自分の腕の長さ、脚の長さ、自分の身体と心について正確に把握し、一挙手一投足(いっきょしゅいっとうそく)を自覚的に行ってはじめて、「自分の理想とするステージ」を実現できるのではないでしょうか?
 自分を正確に把握し、自分をどう使えば「理想」を実現できるかを事前にしっかり計画しておく。宇宙さんは、そういう計算高さを持つべきだと思います。この構築が足りない場合、ステージ上で「迷い」が生じ、本人にとっても、視聴者にとっても、不完全燃焼なステージになってしまうのではないでしょうか。

 もう1点、8月後半-9月のゲーム配信は、見ていてかなり雑に感じる部分がありました。リアクションが大きい配信は、確かに視聴者受けはいいかもしれません。しかし、アクションや漢字でGOのようなものはともかく、ストーリーがあるゲームは「ストーリーに対するリアクションを見たくて見に来る」という視聴者がそれなりの数、存在します。これを雑にやってしまうと、せっかく見に来てくれた「ストーリー好き」な初見の方を引き込めないので、プレイするゲームがどのタイプなのかを見極めて、適切なリアクションが取れれば、もっとファンを増やせると思います。具体的に言うと、アーマード・コアではゲーム内容をおざなりにしている部分が多く、この部分はもっと丁寧にやって欲しいと感じました。大げさなリアクションについては、特に問題ありません。

 9月番組ではかなりのダメージを受けていたように見えたので、以前のことを思い出し心配していましたが、9月29日の配信を見たところ、思ったほどダメージを受けていないようで安心しました。メンタルに弱点があるという見解は変わりませんが、成長を感じます。

 さて、悪い部分も最後になります。
 これは書こうかかなり迷いましたが、個人的にはこの部分を本人が認識していないと、いずれ視聴者と認識ズレを起こして大きな問題になりかねないと危惧(きぐ)しているので、書くことにします。

 酷なことを言うようですが、「心をユラせ」というテーマでは、「プロとしての視点」と「視聴者の視点」は全く別ものです。そして「視聴者の視点」としては、宇宙さんの失敗ほど心を揺らされたパフォーマンスはないと思っています。
 宇宙さん自身は望まないでしょうが、あの瞬間、宇宙さんにはエンタメ的意味での「ドラマ」が産まれてしまいました。あの失敗によって得たものは、視聴者の失望ではなく、大きな期待です。宇宙さんは、「将来、失敗を乗り越えるカタルシス」を期待されてしまいました。このことを危惧しています。
 宇宙さんを見ていると、理想が高く、それを達成する能力もあるだけに「期待に応えたい」という思いが強く、背伸びしてしまい、それが失敗を呼び込んでいる面があるように感じます。普段の配信はともかく、大きなステージでは、「前回失敗し、それでも応援してくれた人に応えたい」という想いが強くなりすぎ、宇宙さんのパフォーマンスにマイナスの影響を与えるのではないかと心配しています。
 
 極論すれば、プロデューサーの期待などは忘れてしまって構いません。そもそも、どんなに練習しても、事前に準備をしても、失敗を完全になくすことはできません。しかし、努力や事前の段取りによって、成功の確率を引き上げることはできます。宇宙さんにできることは、自分のパフォーマンスが誰かの期待に応えられるかどうか、がっかりされないかどうか心配することではなく、自分の思い描いた理想のステージに少しでも近づけるよう、あらゆることを研究し、計画し、努力することです。そして、最終的にどれだけ「できない部分」が出るかも予想して、理想に届かなかった部分がその範疇に収まったのであれば、成功だと考える「発想の転換」をしても良いのではないかと思います。

■良い点。
 もちろん、良い点は沢山あるのですが、ここでは特に良かった点を挙げていきます。

 前回のQクイーン投票では、「コメント拾いの取捨選択が出来ていない」「嫌な話題は拾わない等、コントロールするべき」と書かせていただきました。ところが、宇宙さんはこれを、「コメントを拾った上で、ネタとして消化していく」という方向で解決しました。負けん気の強さがいい方向に作用していると感じます。当然、こちらの方が話題の受け幅が大きくなりますし、配信者としては理想的なスタイルです。

 また、「配信ができるアイドル」という目標が明確なのも好感触です。私はブログを持っていて、そこでたまに候補生3人に対する評価を書いているのですが、宇宙さんへの評価で「配信者としては成功しつつあるが、宇宙のやりたいことはアイドルなのか? 配信者なのか?」と書いたことがあります。その時は、「自分の初心と現状を比較して、もし思ったのと違う方向に進み始めているのなら修正してはどうか?」という意味で書かせていただいたのですが、私が言うまでもなく自己分析し、自分のなりたい目標を持てていることに好感を持ちました。
 こうした部分から、自己に対する分析・研究は元々行っていると思いますので、これをもっと突き詰めていくのがいいのではないでしょうか。
 
 ステージの部分では、宇宙さんの魅力が輝くの部分が3点あると考えています。
 1つ目は高音の透明感・表現力。この音域は、聞く側をわかりやすく「独自の世界観」に引き込むことができます。9月のパフォーマンスでも、高音で表現される宇宙さんの世界観自体には非常に惹き込まれました。難しい音域なので、普段遣いの武器にすることはできないかもしれませんが、「宇宙さんといえば高い音域での歌唱力」というイメージが定着すれば、大きな武器になると思います。
 
 2つ目は、曲に対する解釈や理解を深めた上での、世界観の構築力。今回のパフォーマンスは、「思い入れが深すぎた結果、それをコントロールできずに泣いてしまった」と感じましたが、もしそうであれば、裏を返せばそれだけ独自の世界観を構築できているということです。「曲を解釈し、自分のものとして再構成できる。そしてその世界観に強い思い入れを持って歌い上げることができる」というのは、表現者にとって強みだと感じます。この強みを完成させるためには、「曲に対する深い研究」「感情の完璧なコントロール」「それを表現可能にする歌唱力」という難しい3つの課題が要求されますが、宇宙さんであれば達成できると確信しています。

 3つ目は、上記と矛盾するようですが「楽しそうにしている」こと。実は、宇宙さんの魅力が一番発揮されるのはここだと感じています。今まで聞いてきた宇宙さんの歌の中で、もっとも「良い」と感じたのは、実は【アイマス】渡辺量先生とTwilight Skyの特訓!!【ヴイアラ/上水流宇宙】の35分以降。渡辺量先生という専門家からポジティブな評価を受けながら、楽しそうに歌っている姿や声音が、非常に魅力的でした。
 
 普段、自分を追い込んでしまいがちに見える宇宙さんは、自分の魅力を客観的に評価する機会がないのかもしれませんね。だからこそ、渡辺量先生という、ある意味で「正解」からの肯定的な評価に自己肯定感が高まり、気負いなく楽しく歌えた。それが視聴者にも魅力的に伝わったということなのかもしれません。

「上水流宇宙」には二面性があり、「目標を高く持つ、表現者としての宇宙」と「歌うことやステージを全力で楽しむ、アイドルとしての宇宙」がいて、どちらにも強い魅力を感じます。このふたつを上手に使い分けることで、ギャップによる魅力の表現にもつながると思うので、ぜひチャレンジして欲しいです。

 配信業で他の二人と差別化していく場合、それが許されるかは不明ですが、宇宙さんはその計算高さを活かして、企画段階から参加し、普段の配信でも自分のブランドイメージを構築していくことに注力していくのがいいかもしれません。もうやってるかもしれませんが……。
 
 個人的には、「数字や結果に対する貪欲さ」は高評価しています。さまざまなことにチャレンジし、少しでもリアクションが多かったコンテンツに注力する野心がなければ、アイドルはともかく配信業で成功することはできません。しかし、あまり露骨にやりすぎると「スウジー」(V界隈で、同時接続者数のために何でもやる配信者のスラング)等と呼ばれてしまう場合がありますので、悪い点でもお伝えしましたが、プレイするゲームに対する一定の「理解しようとする姿勢」は必要だと思います。別に本当に理解しようとしなくてもいいのですが、そういう姿勢を見せることが配信活動上のリスクを減らすことに繋がると思います。

 最後に繰り返しになりますが、今回の宇宙さんの「伸ばしたいスキル」にある「人を感動させる力」について、「人が感動すること」と「人を感動”させる”こと」はまったく違います。この部分を真剣に考え、向き合っていただければと思います。宇宙さんなら必ずやれると確信しています。

以上。