「君、影薄いね」と貴方は言った

ネットの片隅に生きるだらだらしたアラサーブログ

【好き瞬感想】ただ一度だけ、再び力を振り絞って、『美しきもの』を紡ぎたいだけなんだ

 大人気ブログ『蕎麦屋』に、「好きになるその瞬間を。」の感想エントリが投稿されました。

tororosoba.hatenablog.com

 

 正直に言うと、このエントリに書かれていることの大半に同意できてしまい、私として、これ以上言うことはないような状態です。

 それでも、「前回のような勢いだけではなく、感情を整理し、自分の言葉で感想を言いたい」という漠然とした想いが消えなかったので、改めて、このエントリで感想……というよりは、「何を感じ、何を想ったのか」を言葉にしておきたいと思います。

 

■前作「ずっと前から好きでした。」

 前作、「ずっと前から好きでした。」は、お世辞にも「面白い映画」ではありませんでした。しかし今考えれば、前作の作りは、私のような「本来のターゲットではない層」を、この夏の青空のように澄んだ世界へ連れ出すための入り口としては、正解だったのかもしれません。

 少なくとも、前作で衝撃を受け、破壊された価値観のおかげで、より深く「好きになるその瞬間を。」を楽しめているのは確かだからです。

 

「この映画を見にいく時は、『好きな人に会いに行く気持ち』になって行こう」

「この映画に、『恋』をしよう」

 

 そういう気持ちを持って視聴に臨めたのは、間違いなく前作のおかげです。そういう意味では、「ずっと前から好きでした。」を見てからのほうが、「好きになるその瞬間を。」を、より楽しめるかもしれません。

 

■今作「好きになるその瞬間を。」

 今作、「好きになるその瞬間を。」は、前作に比べれば、ずっと面白い映画です。それは恐らく、前作が青春群像劇だったのに対して、今作はあくまで「瀬戸口雛」をメインに据え、その恋心を描いた作品だからでしょう。

 瀬戸口雛は、時に笑い、時に悩み、時に涙を流し、60分の中でさまざまな表情を見せてくれます。そんな瀬戸口雛というキャラクターは、純粋に可愛らしく、大体の視聴者は、彼女に好意を抱くことでしょう。そして、彼女の恋に悩む姿を、我々は心から応援したくなり、その恋の経緯・結末から、我々は「輝き」を受け取るのです。

 

■受け取った「輝き」と、「貴いもの」に突き動かされて

 何をこの映画から受け取るかは、人によってさまざまだと思います。例えば、憧憬を受け取る人もいるでしょう。過去の出来事に想いを馳せ、少しの寂しさを受け取る人もいるでしょう。ですが、人によって受け取るものは違っても、その胸に宿るものは等しく同じ価値を持つと、私は信じて疑いません。

 すなわち、人はこの映画から「輝き」を受け取るのです。そして、その輝きは、胸のうちに埋もれていた「何か」を掘り起こし、それを再び輝かせるのです。その「何か」がどのようなものであれ、みな等しく「貴いもの」であろうということを、私は強く信じているのです。

 今、この映画を見た「本来のターゲットでない層」は、激しく動揺し、しかし、「この映画の良さ」を、それぞれの言葉・行動で表そうとしています。あるいは、曲を聞き込み、「瀬戸口雛」を始めとする登場人物たちの心境をなぞろうとしています。

 どういう行動を起こすかは人によってさまざまですが、その原理となっているのは、この映画から受け取った「輝き」と、再び輝いた胸の内の「貴いもの」であろうと、私は思うのです。

 

■爽やかな物語の見送りに苦しみは似合わない

 さて、私自身はどうだったかというと、この映画を見た直後は、「ふーん」というのが率直な感想でした。キャラクターは可愛かったけれど、話も前作と比べて面白かったけれど、ただ、そんなに深い話でもないな、と。

 けれど、映画を見終わって十分経ち、一時間経ち、一晩経つごとに、この映画に対して言いたいことが、考えたいことが溢れ、止まらなくなってしまったのです。

 それは、決して「楽しい」だけのものではありませんした。時に苦しく、時にもがくような、鬱屈とした考えが頭を支配した時もありました。しかし、OPである「センパイ。」とEDである「大嫌いだったはずだった。」を繰り返し聞くに連れて、次第にこう思うようになっていきました。

 すなわち、

 

「爽やかな青春の物語に、その終わりを見届けるのに、涙や苦しみは似合わない」

 

 きっと瀬戸口雛を筆頭にする登場人物たちにとっては、この物語は青春の一ページ。後から、その苦しさや悲しさを振り返った時、きっと「いい思い出」になる物語だったと、そう思うから。私もこの物語を、そういう風に見守ろう。

 そんな風に思えるようになりました。

 

■終わりに

「好きになるその瞬間を。」は、冷静に見れば、取るに足らない、キャラクターが可愛いだけの映画かもしれません。しかし、「恋をする」つもりでこの映画を見に行けば、きっと素敵な貴いものを――それは時に、自らの心を傷つけるような感情であったとしても――受け取ることができるはずです。

 2016年ももう終わりですが、ぜひ、スクリーンでこの映画を見て欲しい。そう思う映画でした。

 

 以上。

好きになるその瞬間を。を見て、俺は瀬戸口雛に恋をした

 2016年12月24日、好きになる瞬間を。~告白実行委員会~を見てきたわけですよ。

 

 前作を見た後、「12/24に好きになるその瞬間を。とかヲタクとして限界でしょ……」とネタで言っていたんですが、まさか本当に12/24に見ることになるとは、まさか自分自身、思っていませんでしたね。

  まぁ、それは良いんですが(時間帯が悪くて、前作みたいに「JKでいっぱい!」みたいな事はなかったし)、なんというかね、色々思うところがあったので、これはその感想というか、想いのたけを綴ったエントリなんですが、当然ながらネタバレしまくるのでネタバレ見たくない! って人は回れ右。 

 あと、内容はまったくないので、そういうのを求めて読むと肩透かしだと想います。

 

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以下、ネタバレ


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 というわけでね、好きになるその瞬間を。を見てきたわけなんですけれども。

 

 まず、まだ「見てない人」に言いたいんですが、この映画は決して「期待」を持って見ないで欲しい。もちろん、「クサしてやろう」とか、そういう気持ちを持って見るのも論外です。

 この映画、とにかく「”好き”を知りたい」、そういうピュアな想いを胸に抱いて見て欲しい。この映画にをしたと思って見て欲しい。

 とにかく好きになるその瞬間を。が見たい。見れるだけで嬉しい。そういう気持ちを持って映画館に足を運んでもらいたい。

 

 この映画は、期待に応える面白さも、クサせる程の内容も、持ち合わせてないです。

 でも、好き」だけはたくさん見て、感じることができる。それだけは保証します。

 本当、60分の中で、5分に1回くらいの割合で、キラキラボーイズやキラキラガールズが『好き』を意識したり、『好き』を表現したりする。

 

 おいおい、勘弁してくれ、と。

 おじさんはそのキラキラを受け止めるHP、ありませんよと。

 俺がJKでなければ死んでいたところでしたね。危なかったです。

 

 さて、感想です。

 なんというかね、前作が『体験型アトラクション』だったわけですけども、今作の感想を一言で言うなら『哲学』ですよ。

 『哲学』、わかります? 

 俺も自分で何を言ってるのかわからないですよ

 

 前作、「ずっと前から好きでした。」は、正直ね、テンプレイケメンと人の心を持たない畜生がメインを張っていたので、内容的には何も理解できなかったわけですよ。

 

 でも、JKが泣いてる。衝撃! 

 この衝撃はぜひ一度味わうべき!! 

 

 ……みたいな、そういう感想を持ちましたし、実際今もそれは変わりません。

 

 そこをいくと、今作はね、まぁ正直、すげー唐突に終わるし、見終わったあとは「こんなもんかー」って感じだったんですけどね、じわじわくるんです。見終わったあと、言いたいことが溢れてくる。

 好き瞬、俺の観測範囲だと、見終わった後にやたらと考察してる人が多くて、どんな映画なんだと思ってたんですがね、見た今なら言えますよ。わかる

 

 この映画、とにかく、登場人物の気持ちを考えてしまう映画です。

 その中でも、特に考えてしまうのが、ヒロインの「瀬戸口雛」ちゃんのことなんですね。

 

 この映画は60分しかないので、尺があまりにも足りず、作中では尻軽小悪魔みたいな感じになってしまっている雛ちゃんですが、でも、作中の時間にしたら2年とちょっとなわけですよ。

 2年とちょっと好きだった相手だからこそ、髪型を急に変えた時にすぐに「好きな相手ができたんだ」と気付いてしまったし、それでも諦めきらめ切れずに好きでい続けて、ラブレターを書いて、思わず告白までして、でも恋に破れてしまったんですよ。

 

 前半の雛ちゃんの気持ちはね、まぁわかるんですよ。なんか少女漫画的っていうか、テンプレみたいな感じだし、要するに「恋に恋する」女の子だし。

 

 でも、中盤以降の雛ちゃんは違うわけですよ。

 だって、好きで好きで、好きだからこそ、「自分が意中にいない」ということに気付いてしまっているんだもの。それでもラブレターを書いて、勇気を出して気持ちを伝えようという時に、失恋したユッキーが現れるんですもの。思わず「好き」といってしまって、でもやんわりと拒絶されてしまうんだもの。

 

 俺はね、知りたいんですよ。

「好きな人に、自分以外の好きな相手がいる」とわかった時、雛ちゃんはどんな気持ちだったのか? それからの毎日、雛ちゃんはどんな風にユッキーと接して、どんな風に過ごしたのか。気持ちを伝えようと決めた時、そこにどれだけの決意があったのか。

 そして、想いを伝えた瞬間――それが拒絶されるとわかっていながら、つい口をついて出てしまったその言葉に、自分でどういう想いを抱いたのか。

 

 見終わってから2時間くらい経つわけですけども、ずっと雛ちゃんの事を考えてる。

 雛ちゃんの事を知りたくてたまらない。

 この想いは、まるで恋でもしてるみたいじゃないですか?

 

 ……とまぁ、そこでこのエントリのタイトルにつながってくるわけですが、まぁ、正直、インパクト重視で言葉を選んだわけですが、でも、俺がこの数時間、雛ちゃんの事ばかりを考えているというのは”事実”だし、このよくわからない感情が「好き」といわれたなら、それはそうなのだろうと思うわけです。

 

 しかし、恐ろしいのは今のJC、JKですね。

 こういう素直な気持ちをストレートに表現する作品を摂取して育つわけでしょう?

 本当、ヲタクはシン・ゴジラとか言ってる場合じゃないですよ。いや、シン・ゴジラは面白かったけども、このね、素直さ、ピュアな気持ちがね、最先端なんですよ

 これを理解できないというのはともかく、理解しないというなら、本当、時代に置いていかれますよ。

 

 言いたいことは他にもあるんですが、長くなるので割愛します。

 例えば、「実質たまこラブストーリーじゃん!!」とか、「虎太郎、何回雛ちゃんでオナニーしたんやろなぁ……」とか、「虎太郎は床オナ派」とか、まぁ主に虎太郎の青春のパトスの話がメインになってくるわけですが、それはね、別の場所、別の機会にぽろっと出していこうかと想います。

 

 好きになるその瞬間を。~告白実行委員会~、オススメの映画です。

 

 以上。

Nintendo Switch発表と株価の下落について、その仕組みを考える

まとめ

・「Nintendo Switchの失望が任天堂の株価下落に繋がった」というのは、正しい理解なのか? →そうではないと思う。

・アナリストの言うことは全部後付けだから鵜呑みにするべきではない。

・相場はエンターテイメントだから、楽しめるようになってみよう!

 

■はじめに

 ときに株価は、一般的な視点から見た場合、「何故?」と思うような動きをすることがあります。

 

 ここでは、直近で起こった任天堂の新ハード発表とそれに伴う株価変動」を例にとり、「株価が不可思議な動きをするのはなぜなのか?」という疑問に対する答えを、私なりの視点で回答したいと思います。

 

※注意点

・相場観は個々人で大きく違います。今回ご紹介するのは、あくまで私の相場観です。

・昨今では、相場全体の流れは常に変化しており、今回ご紹介する視点が明日も通用するかどうかはわかりません。

 

■多くの人が疑問に思った「株価の下落」

 ゲームに疎い方でも、「任天堂の新ハードが発表された」というニュースは、ご存じの方が多いと思います。

 Nintendo Switchの発表翌日、任天堂の株価は大きく下落したことは、様々なメディアで取り上げられ、インターネットの三流タブロイドでも大きく取り上げられました。

 

 これに対して、私のTLでは「何故、株価が下がったんだろう? 魅力的なハードに見えたのに」という声や、「投資家はゲームをしていないんだな」という声が散見されました。

 

 私から言わせると、任天堂の株価は下がるべくして下がったわけですが、確かに一般的な見方をすれば、「ポジティブな内容だったにも関わらず、何故、ネガティブな反応が起こったんだろう?」と疑問を覚えるのももっともです。

 

 では、なぜ、任天堂の株価は大きく下がってしまったのでしょうか。

 

■アナリストのいう「株価変動の分析」は、全て後付け

 株価の下がった理由について、少し検索するだけでも、様々なサイトが分析を掲載していることがわかります。

 

【深層】ニンテンドースイッチ発表で任天堂の株価が下落した理由
http://www.toushin-1.jp/articles/-/2200

 

 例えば、上記のサイトでは、「真新しさがなかったこと」がその最大の要因であると分析しています。確かに、Nintendo Switchのコンセプトに真新しさがあるかといわれれば、特にないと私も感じています。

 しかし、だからといって、株価が大きく下落するほど悲観的な内容だったかといわれると、そういうわけでもないと思います。

 実際のところ、こうした「株価変動の理由」に関して、正確に把握できるアナリストは皆無と言っていいでしょう。こうした分析は、あくまで「起こった事象に対して、どういった意味付けを行えるか?」という、言ってしまえば付けでしかありません。

 

 もし、今回の発表で株価が大きく上昇したとすれば、こうした分析は全て、「新ハードのコンセプトが真新しかった」「PVのつくりが、任天堂が力を入れてこなかった、所謂「ゲーマー層」に訴えかけるつくりであり、期待感が高まった」などと書かれていたことでしょう。

 

■短期的な投資に理由は不要。必要なのは「小さなきっかけ」と「タイミング」!

 実際のところ、投資というものはタイミングに重きがおかれており、発表内容のポジティブさ、ネガティブさは、短期的な部分では特に関係ありません。

 

 今回、任天堂の株価に大きく寄与したと私が考えているのは、投資の世界に古くからある「噂で買って事実で売る」という格言です。

 

 投資の世界では、事前にリークされた決算内容がかなり良好で、事実、その通りの内容が発表されたにも関わらず、直前まで上がり続けていた株価が、表と同時に大きく下落することがあります。

 今回の事例は、まさにその典型的な例だと言えるでしょう。

 

 職業投資家は、常に「決済ができるタイミング」を狙っています。今回のような「大型発表の直後」は、「決済するタイミングとしてちょうど良かった」というのも、今回のような事例に繋がる要因のひとつと考えられるでしょう。

 

■市場を動かすのは、個人ではなく一部の大手

 現在の投資の世界では、市場の動きを決定するのは、個人ではなく一部の大手、所謂ヘッジファンドの方針次第です。例え、個人が「今回の内容は良かった」と感じても、大手が最初から「噂で買って事実で売る」方針を固めていたなら、「事実」の発表直後に、短期的な株価は下落してしまいます。

 

 つまり、短期的な株価は、あくまで「大手投資機関の意思によって変動するもの」であり、企業の価値や、発表された内容の善し悪しを判断できるものではないということです。

 それらを判断したいのであれば、短期的な株価変動よりも長期的な(少なくとも、1~2ヶ月以上の範囲での)株価変動に注目するべきでしょう。

 そういう意味では、今年半ばには13,000円台だった任天堂の株価は、現在ではその倍近くに上昇しており、企業価値の評価は大きく上がっていると言えます。

 

 もっとも、この株価の上昇については「ポケモンGO」による部分が大きいわけですが、Nintendo Switchが市場に評価されているのであれば、今後、任天堂の株価は緩やかに上昇していくでしょう(少なくとも、Nintendo Switchの発売までは)。

 

■おまけ:三流タブロイドのネガティブ記事は、株価操作が可能なのか?

 あくまで個人的な意見ですが、ネットの三流タブロイドに株価を変動させるような力はないと考えています。

 その理由は、三流タブロイドの客層に投資家が少ないと考えられること、例え投資家がいたとして、三流タブロイドの情報に左右されるような投資家が、株価に影響を与えるほどの株保有数を持っているとは考えづらいこと等です。

 

 但し、ヘッジファンドの使う取引手法のひとつにアルゴリズムと呼ばれるものがあります。これは、特定のキーワードを設定し、Twitter等でそれらの単語を検索。一定数のヒットがあった場合に売買を行う、というものです(多分)。

 

 三流タブロイドの記事をTLに流すことで、その記事タイトルにアルゴが反応してしまうことがないとは言えません。

 

天皇アルゴ?天皇陛下「生前退位」に反応するアルゴリズム日経平均先物で作動か

http://kabumatome.doorblog.jp/archives/65867770.html

 

 直近で起こった、面白いアルゴリズムの誤反応(と噂されているもの)はこれでしょうか。

 

 但し、こうした誤反応が起こる可能性は、三流タブロイド記事の拡散を考えれば少ないのではないかというのが、個人的な感想です。これを元にしてタブロイド記事を流すのが云々というのは、無理があると感じます。

 

 それをいってしまえば、例えば「何故、任天堂の株価が下がるんだろう?」という疑問でさえ、任天堂」「株価」「下がる」というキーワードに引っかかる=追い打ちの売りを誘発する可能性があり、迂闊な発言は何も出来ないことになってしまうからです。

 

■最後に

「何故、今回、任天堂の株価が下落したのか」について、簡単に、かつ個人的な観点からではありますが、その仕組みをご紹介しました。

 

 相場とは、過去を知ることで未来を予想する、一種の学問であると同時に、予想の範疇を飛び越えて動く良質なエンターテイメントでもあります。

 相場の動き方のパターンを知り、起きた事象に照らし合わせて今後が予想できるようになれば、市場を見るのが楽しくなるはずです。

 

 相場というエンターテイメント、ぜひ、みなさんも体験してみてください。

クソアニメ論

■序文
 昨今では、数え切れないほど多くのアニメが、3ヶ月毎に放送されている。そうした数多のアニメを評価する言葉のひとつに、「クソアニメ」というものがある。

 この言葉は、非常に多くの意味を内包する言葉であるにも関わらず、その字面から「単純に面白くないアニメ」を意味する言葉として使われることも多い。

 一クソアニメ好きとして、このような誤用を見るたびに、非常に強い憤りを覚える。そこで私は、世に正しい「クソアニメ」の意味を啓蒙するため、ここに筆を執る次第である。

 しかし、「クソアニメ」の意味するところは非常に繊細であり、その意味を完璧に定義することは、個人ではとうてい不可能である。そのため、ここでは、クソアニメ視聴に必要な心構えや、「あくまでも私はこう考える」というクソアニメの判断ポイントを何点か挙げると同時に、時にクソアニメと判別し難い場合がある「名作」の条件についても触れていきたいと思う。

 

■「クソアニメ視聴」に求められる心構え
 クソアニメを視聴する際、我々にはひとつの心構えが求められる。それは、「放送中、いつでも掌を返すことができる心構え」である。

 クソアニメは、決してクソアニメとして生まれてくるわけではない。しかしながら、監督のやりたいこと、見せたいことに視聴者がついていけないとき、人はそれを「クソアニメ」と評価する場合がある。

 こうしたアニメは何らかのパワーを持っていることが多く、やがて視聴者の多くを魅了する名作となるか、もしくは、独りよがりさを視聴者に見抜かれ、駄作の烙印を押されることになる。

 このようなアニメを、いつまでも「クソアニメ」と評価し続けるのは、クソアニメ視聴者として非常にナンセンスである。その作品のブレイクポイントを敏感に察知し、時が来ればきちんとした評価を下せる「センスあるクソアニメ視聴者」になるためにも、いつでも掌を返す準備をして視聴に望みたい。

 時に、周囲が「クソアニメだ」と評価し続けたとしても、自分が「名作」、あるいは「駄作」と判断したのであれば、強い心を持ってそれを口に出していくことも、クソアニメ視聴者の義務である。

 安易に「クソアニメ」と評価したい気持ちをねじ伏せ、、己の内面と向き合い、真なる自分の心を見出すことになるクソアニメ視聴は、克己の修行であるといえる

 

■クソアニメの判断ポイント
 クソアニメの判断ポイントは、人によって大きく異なってくる。ここでは、あくまで「クソアニメに含まれる率が高かった要素」と、個人的な判断ポイントを列挙していく。
 時折、具体的な事例としてアニメの名前を挙げることがあるが、そのアニメがクソアニメだというわけではないことに注意していただきたい。

 

・キービジュアルが既に力尽きている
 本来、ユーザーの目を引くために、もっとも力を入れなければならないキービジュアルが既に「落書きか?」というような、一見して予算のなさを伺わせるようなアニメは、クソアニメ率が高い。公式ホームページのキャラクター紹介が力尽きている場合も同様である。

例:
戦姫絶唱シンフォギア(1期) http://www.symphogear.com/
聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> http://warubure-anime.com/

 

・印象的なセンテンスがある
 印象的なセンテンスを持つアニメは、クソアニメである確率が高い。

例:
「一人旅団」(革命機ヴァルヴレイヴ
「思い……出した!」(聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク>)
「待たれよ」(アルドノア・ゼロ
「……んだよ、意味がわかんねえ」(魔法戦争

 

・特定の声優が出演している
 特定の声優が出演しているアニメは、クソアニメである確率が高い。
 かつては「木戸衣吹が出演するアニメはクソアニメ」という定説が存在したが、「すべてがFになる」がそこそこ普通な出来だった上に、「アヴァベルオンラインアニメ化中止事件」によって、「木戸衣吹が出演するクソアニメは放送されるが、M・A・Oの出演するクソアニメは放送もされない」と一部で(主に俺)話題になり、勢力図が塗り替えられつつある。
スマホ向けRPG「アヴァベルオンライン」のテレビアニメ化が中止に 運営元は「諸般の事情」と説明 https://gunosy.com/articles/RIA69

 しかし、一部の有識者の間では、「木戸衣吹M・A・Oの演技を受け止めきれないアニメ側に問題があるのではないか?」と疑問が呈されている。

 

・OP、またはEDが名曲である
 OP、またはEDが名曲であるアニメは、クソアニメである率が高い。

例:
魔法戦争OP:https://www.youtube.com/watch?v=pb6HN_NFD20
魔法戦争ED:https://www.youtube.com/watch?v=fe8i1aXZ2SI
ビビッドレッドオペレーションOP:https://www.youtube.com/watch?v=BSRRsXuttgQ

 

※注意点
 確かに、クソアニメの条件としてOPが名曲であるアニメはクソアニメ率が高い。
 しかしながら、決してOPに起用してはいけない歌手が存在することが、個人的な調査から明らかになっている。その歌手とは、AKINO with bless4である。
 AKINO with bless4の曲は、確かに名曲揃いである。しかし、AKINO with bless4をOPに起用した場合、そこから放たれる圧倒的な”圧”は現代アニメが受け止めきれるものではなく、数多くのアニメがAKINO with bless4の前に敗北してきた
 しかし、逆に言えば、”本編殺し”とも呼べるAKINO with bless4には、それだけの「名作オーラ」備わっているということである。いつの日か、アニメ制作現場が次のステージに進み、AKINO with bless4にアニメの内容が追いついたとき、その相乗効果は計り知れないものになるかもしれない。

 

・革新的・先進的な手法を用いて作られている
 クソアニメを分析すると、革新的・先進的な手法を用いて作られていることが多々あることがわかる。

戦姫絶唱シンフォギア
 カット割りや台詞回しによって展開を圧縮し、「4話1クール=12話で3クール」とすることに成功しており(12話を「結」と考えれば4クール)、筆者はこれを「シンフォギア三倍段」と呼んでいる。
 GやGXとシリーズを重ねるごとにこの手法は薄れつつあるが、「必要な部分を描写するために、少しでも余計な部分は絶対に省く」というマイナスの手法は、「君の名は。」や「シン・ゴジラ」でも採用されている。

 

メカクシティアクターズ
 筆者が立てた「ささみさん@がんばらない」でイラストレーター左氏の絵をそのまま動かした功績により、今後10年、どんなことがあってもシャフトをdisらない」と誓いの8年分を消費させたと(俺の中で)話題の「メカクシティアクターズ」が採用している、「アニメをミュージックビデオと捉え、カゲプロのファン層が買いやすい価格帯に設定した円盤を毎月発売する」という手法は、なかなか他に類を見ない商売の手法である。

 クソアニメの中には、こうした「尖りすぎた手法」を採用したがゆえに、一般的な視聴者がついていけずに「クソアニメ」に分類されてしまっているものもある。クリエイターは、こうしたクソアニメの中から手法を学び、一般に受け入れられるように手を加えることで、ヒット作を生み出せる可能性がある。
 つまり、クソアニメはアニメ界のパリコレクションといえるだろう。

 

・犬がしゃべる
 犬がしゃべるアニメはクソアニメである。

 

■名作の判断ポイント
 ここからは、「時に、クソアニメと判別をつけづらい名作アニメの判断ポイント」を紹介していく。

 

・OPかEDで走っている
 OPかEDでキャラクターが走っているアニメは名作である

 

・突然ミュージカルがはじまる
 なんの脈絡もなくミュージカルが始まるアニメは、当然だが名作である

 

・野球回、またはサッカー回がある
 いうまでもないことだが、野球回、またはサッカー回があるアニメは名作である
 その回が最終回に近ければ近いほど、名作の度合いは高まる

 

・女子が女子を平手打ちする
 もはや万人の共通認識であるため、言う必要があるのか疑問だが、女子が女子を平手打ちするアニメは名作中の名作である

 

■「クソアニメ」に似て非なるアニメ
 クソアニメと似て非なるアニメが存在することは、余り知られていない。
 このアニメは「まなめはうす枠」と呼ばれており、先日、惜しまれながらもその長い歴史に幕を閉じた(※1)「まなめはうす」管理人が好んで視聴するタイプのアニメである。
 このアニメは多くの場合、

・エロゲ原作である
・ギャグ寄りである
・ナンジョルノが出演している
・学園モノである

 などの要素を含んでいる。
 これらのアニメは「まなめはうす枠」であり、クソアニメ好きに話題を振っても微妙な顔をされてしまうため、注意したい。

 

■最後に
「クソアニメ」は、個々人によって大きく判断ポイントが異なることは、先に述べたとおりである。だが、「クソアニメ」に共通するのは、「どこか、強く人を惹き付ける魅力がある」ということである。
 ただの駄作を「クソアニメ」とはまったく異なるものである、安易にそうした呼称を用いることは、アニメに対する侮辱である。クソアニメに理解を示すことが難しい一般的な感性の持ち主であっても、そのことだけは十分に注意して欲しい。

 また、クソアニメに感じている魅力は人それぞれであるため、共通言語として語ることはほぼ不可能である。同じクソアニメが好きだからといって、話が盛り上がるわけではないということにも、十分留意すべきであろう。


※1 まだやっていると本人から抗議がきたので、まなめはうすもみんなよろしくね http://maname.hatenablog.com/

シン・ゴジラのシンはシンフォギアのシンだった

 シン・ゴジラを見てきました。

 シン・ゴジラを見てきて、事前の評判から「あ~こんな話なんだろうな~、じゃあ見てきたらこんな感じの感想言っちゃおうかな~」と考えてたものがあったんですが、実際見終わった後に思っていたことは、「シン・ゴジラ、シンフォギアだった」でした……。いや、最後のあれのあれだけでなくて。以下、その理由をお話します。

 ちなみに、書き終えてから見返したところ、話がずれまくっている上に、(個人の感想です)以上のものでなかったり、「いや、つまりこういっているのはこういうことだよ、頭わりぃな」というような感じの部分が多くなりましたが、あくまで私のブログで私が書いた記事なので、そこら辺はご容赦ください。

 

 

 

 

 

 

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ネタバレ

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 私が言うところの、「シン・ゴジラとシンフォギアの類似点」、それは、どちらも「マイナスの手法で作られている」という部分です(個人の感想です)。

 この2つの作品は、どちらも「見せたいテーマ、物語」が最初にあり、それを必要な尺の中に収めるために、極限まで「不必要な部分」をそぎ落として作ってあると感じました。

 この手法を用いたアニメとしては、シンフォギア1期が特に優れていて、私はこれを新世代のシナリオスタンダードと呼んでいるんですが、ようやくそこに庵野監督が追いついたか。という感じですね。

 シンフォギアを知っていれば、事前によく見かけたような、「キャッチーな主題歌とか恋愛要素とかなくても売れるものは作れるんだよ!」という結論にはなりようがないので、全ヲタクは早急にシンフォギア(特に1期)を見るべきだと思います。一般的には安っぽい作画や、一見しただけでは笑いを誘っているとしか思えないストーリー展開で話題になることの多いシンフォギア1期ですが、作中で使用されている「マイナスの手法」はかなりの高レベルですので、技術的な面に注目してシンフォギアを見てみましょう。

 まさか、シン・ゴジラを見て、こんなウエメセでわけのわからないことを言うことになるとは、私も思っていませんでした。

 そんな感じで、「これ実質シンフォギアでは?」と思ってみていたら、急に「アメノハバキリ」とか言い出したので、ヤシオリ作戦時の、急激に巻きが入ったような怒涛の展開も含めて、もう完全にSAKIMORIが戦っていました。俺の中で(幻覚)。

 まぁ、結論を言うと、私自身そうなんですが、コンテンツが溢れる現代を生きる我々は、皆「我慢弱い」部分があるんですよね。主軸とずれた要素が入っていると、退屈と感じやすい。その点、シン・ゴジラもシンフォギア1期も、徹頭徹尾「見せたい物語」を、最低限の肉付けでブレることなく表現していたので、その点がウケているのかもしれないなぁ……というのが、シン・ゴジラの感想です。

 シン・ゴジラ自体の内容としては、本当に中身がなかったですね。ゴジラは作中でただ歩いていただけだし、攻撃されたからビームで反撃したくらい。上陸した理由というのは特に何もなかったし、ゴジラがきて、それに対応して、何とか上手くいったね、おわり。みたいな内容でした。

 ただ、シン・ゴジラの話としてはそれでいいと思っていて、例えばゴジラが上陸してうろうろしていた明確な理由なんていうのは、なくてもいいんです。何故なら、この映画は怪獣映画ではなくて、実際のところ、「天災に対してがんばる日本人を描いた映画」だからです。

 シン・ゴジラの序盤の展開を見ればわかるように、ゴジラは形態ごとに、地震津波原発事故といった、日本を襲った天災・人災を踏襲し、第4形態として、「それらを上回る、未曾有の天災」として描かれています。天災が発生するのに、特に理由はありませんよね。そんなわけで、メインは必然的に、「天災に対応する日本人」になり、最後、ゴジラを何とか倒す場面は、「一致団結した努力で、未曾有の天災をも何とか乗り越えられる。だから、あきらめずに頑張ろう」というメッセージを感じました。

 ただし、天災はいつまた起こるか、誰にもわかりません。「これからずっと、ゴジラと付き合っていかなければならない」という最後の台詞は、この映画のメッセージが、これまで発生した阪神大震災東日本大震災、九州・熊本地震の被災者の方々だけでなく、これから発生するであろう未曾有の天災に対して、備え、起こったとしてもお互いに協力して乗り越えていこう、というメッセージなのかなと思いました。

 で、話がずれるんですが、事前によく見ていたような、「キャッチーな主題歌とか恋愛要素とかなくても売れるものは作れるんだよ!」というのは、なんだか的外れに感じましたね……。いや、言ってることは正しいとは思うんですけど、シン・ゴジラはたまたま、「弁当箱に必要なものを詰めていてったら余分なおかずが入るところがなくなった」だけで、もし庵野総監督より100倍くらい構成が上手い人がいたら、多分そういうのも入ってると思うんですよね。そういう部分も、ないことはなかったし。だから、シン・ゴジラという映画を持ち上げて「どうだ今の邦画界よ、これが面白い映画作りだ!」と言い出すのは、うーん、いまいち的外れかなぁ、と思いました。

 

 もうちょっと書きたいことがあったんですが、あんまりまとまらなかったので、とりあえず以上。

「あの人が電子書籍を出したんだって!」「で、どのリーダーなら読めるのさ?」(電子書籍についての軽いまとめ) 後編

 というわけで、電子書籍についての軽いまとめの続きです。
 前回の記事はこちら。

「あの人が電子書籍を出したんだって!」「で、どのリーダーなら読めるのさ?」
(電子書籍についての軽いまとめ) 前編
http://blue876.hatenablog.com/entry/2012/02/28/190156

 前回の最後で予告した通り、今回は電子書籍の取り扱い店や電子書籍自体の問題点について、ニュースを交えつつご紹介したいと思います。

2.電子書籍の取扱店

 さて、電子書籍ですが、これはもちろん自炊しないのであればお店から買うしかありません。 
 では、どこのお店で、どうやって買えばいいのでしょうか?



 代表的な電子書籍販売店は、前回の記事でもあげた紀伊国屋や楽天イーブックストアがあります。

紀伊国屋書店BookWeb 電子書籍コーナー
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/indexp.html

 紀伊国屋のWebサイトには電子書籍を購入できるコーナーがあります。
 流石に紀伊国屋だけあって、品揃えはなかなか豊富です(現在の数はちょっと探せませんでしたが、2011/10時点で20000点ほどだそうです)。

 紀伊国屋で購入した書籍は、Sonyの「Reader」か、独自のアプリKinoppyを利用する事により、読む事が出来ます。
 KinoppyはiOS、Android双方で使えるアプリです。
 また、Kinoppy for PCを利用する事により、買った書籍はPCでも閲覧する事が出来ます
 これはなかなか重要な要素です。というのも、電子書籍の中にはPCで閲覧出来ないものがあるんですね。

 Kinoppyで購入した電子書籍は、一部を除いて(岩波書店角川グループ、講談社、ぶんか社は一年以内ならという条件があります)何度でも再ダウンロードできるようです。
 端末の容量が逼迫した際には助かる機能ですね。

 また、Kinoppyを通じて紙の本を購入することも出来ます。1500円以上で送料無料です。

・楽天イーブックストア「Raboo」
http://ebook.rakuten.co.jp/

 楽天の電子書籍ストアです。
 品揃えは紀伊国屋同様そこそこありますが(現時点で3万点超のようです)、ここで購入した商品はSony「Reader」かPanasonicの電子書籍タブレット「UT-PB1」からしか読めません。
 はっきり言って、UT-PB1は高すぎて(29800~34800円)検討に値しないので、実質Reader専門のストアと言っても過言ではないでしょう。

 上記のような理由から、あまり使い勝手のいいストアとは言えません。 
 現状の、もしくは「とりあえず電子書籍を試してみたい」という潜在的ユーザーは、基本的にスマートフォン、あるいはiOS or Androidタブレット使用者であろうという事を考えると、電子書籍購入先の選択肢からは自然と外れてしまうかなという印象です。

・ebookjapan
http://www.ebookjapan.jp/ebj/index.asp

 現状、日本では最大のコミック取り扱い数を誇る電子書籍ストアです。
 販売数は55369点(12/3/1現在)で、総合図書ではビジネス書や文芸書の取り扱いもあります。
 あと、なんかエロ本も買えるっぽいです。ウヒョー。

「いつ何の本が追加予定か」を気軽に見れるのは結構ポイントが高いですね。

 ここも、書籍を閲覧するには専用のアプリ(iOS、Android、Windows対応)ebi.BookReaderが必要になります。
 これはどの電子書籍ストアでも言える事なのですが、その「店」ごとの専用アプリが必要になる場合が多いです。多少面倒ですが、まぁ、現実でも紀伊国屋があり、TUTAYAがあり……みたいな感じでお店は分かれているものですし、そういうものだと思ってください。

 ここも嬉しい事に、PC用のアプリをダウンロードすればPCでも電子書籍が読めるようです。
 また、トランクルームというストレージサービスを利用できるようです。

 しかし、この店はReaderには対応していませんので、Reader購入を検討されている方は注意が必要です。

・電子書店パピレス
http://www.papy.co.jp/act/top/nifty/

 日本最大の電子書籍ストアです。
 1995年から運営されている老舗で、400社を超える出版社の取り扱いがあるのですが……ファイル形式が結構ばらばらなのが難点です。
 ファイル形式がばらばらだという事は、閲覧方式もばらばらだという事です。

 また、スマートフォン・タブレット対応は2011年11月頃からようやく行われ始めたようで、手軽にスマフォやタブレットで閲覧というのは問題があるようです。そのような状況ですから、もちろんReaderには対応していません。

 逆に言えばPCでは殆どの書籍が閲覧可能という事なので、まぁ、PCで見れれば別にいいという人はパピレスを利用しておけば間違いはないでしょう。

 姉妹店として電子書籍のレンタルストア「Renta」があります。
 Rentaは「1枚100円のチケットを買って、必要なチケットを払い、48時間ファイルを閲覧する権利を得る」という方式なのですが、3枚くらいチケットが必要な場合が結構あるので、あまりお得感がないような……まぁ、元の値段が結構する本なのかもしれませんが。

・BOOK☆WALKER
http://bookwalker.jp/pc/

 ライトノベルやコミックを中心にした電子書籍ストアです。 
 また、珍しい事に(?)ゲームの攻略本なども取り扱っています。
 金曜日にはファミ通が読めたりします。

 似たようなストアとしては、既にebookjapanをご紹介していますが、向こうはライトノベルは取り扱っていないのに対し、こちらはライトノベルを前面に押し出す形となっています。

 また、「~記念で~文庫の電子書籍が一冊150円!」のようなセールを定期的に行っており、お得感が高いです。

 が、BOOK☆WALKERの電子書籍には「PCで閲覧出来ない」という最大の問題点があります。
 購入した商品はiOSまたはAndroid端末でしか閲覧できず、そのためのアプリはアップデートされるたびにAppStoreでの評価が下がっていくという、なんとも言えない具合になっています。
 先日、FEAR製TRPGシステムのルールブックが発売されたので、頑張って欲しいのですが……。



 大体、ぱっと目に付く電子書籍ストアはこれくらいでしょうか。
 また、ニッチですがこういうストアもあります。

・ラブコミ.com
http://nifty.lovecomi.com/lovecomi-nifty/exec/top

「おんなの子のためのコミック専門サイト」という宣伝文句の通り、女性向けを専門に取り扱うストアです。なかなか面白い試みですね。

フランス書院
http://www.france.jp/servlet/Satellite/f/index.html
フランス書院 美少女文庫
http://www.france.jp/servlet/Satellite/b/index.html

 エロ本を読もう、な!(迫真)



 現状ではストアによって、PCで読めたり、読めなかったり、Readerに対応していたり、いなかったり、むしろPCでしか読めなかったり、様々です。
 日本の電子書籍業界を複雑にしているのはまさにこの点で、この統一感のなさは、新規ユーザーに対して高い障壁でしかありません。

 今後、Amazonが日本電子書籍業界に参入してくる中で、こういった状態がどう変化するかは注目すべきところです。

 これから電子書籍をご検討されているのなら、

PCで読みたい方パピレス
PCや携帯端末、タブレットで楽しみたい方:紀伊国屋、ebookjapan
携帯端末でしか見ないという方:紀伊国屋、ebookjapan、BOOK☆WALKER
電子書籍端末(Reader)で楽しむという方:紀伊国屋、Raboo、(紹介していませんが)ReaderStore

 という感じになると思います。
 もちろん、このほかにも電子書籍ストアは多く存在しているので、興味がおありなら独自で調査して見るのも面白いかもしれませんね。

3.電子書籍の問題点

 電子書籍の利点とは何でしょうか?
 ぱっと考えると、

・場所を選ばず手軽に買える
・値段が(若干)安い
・収納場所に困らない

 等が挙げられると思います。
 個人的には特に「収納場所に困らない」という点を重視しています。

 というのも、僕は以前、結構な数のマンガやラノベを買い漁っていたのですが、これがただ漫然と買っているとかなりのスペースを食ってしまうわけです。
 そうすると、どんどん収納場所がなくなっていき、部屋に本が溢れはじめてしまいまして。
 それを片付けるのが面倒で、段々マンガやラノベから縁遠くなる……と、まぁ今の状態はこんな感じなわけです。

 そういった問題を一手に解決できる手段として、電子書籍に期待を寄せています。

 ですが、現状では多くの問題点を抱えているのも事実です。
 ここではその問題点を取り上げ、それに関わるであろう2012/3/1現在で電子書籍についてのニュースをご紹介していきたいと思います。



 何はなくともまず注目すべきなのは、前編でも軽く触れたこのニュースです。

米Amazonが電子書籍端末『Kindle』を4月国内発売へ、無料でドコモ回線を利用
http://appllio.com/news/20120211-1589-amazon-kindle-release-in-japan

 先ほども述べた通り、現状の電子書籍の問題点としてまず浮かぶのは「統一感のなさ」です。
 これは、電子書籍業界に「スタンダード」がない事に起因しています。

 Amazonの発売するKindleは、現在電子書籍業界に欠けている「スタンダード」の地位を占める可能性を秘めています。

 何せ、米Amazonで販売されているKindleは、Amazonが取り扱う100万冊の蔵書を自由にDLでき、購入した商品を(ストレージサービスの容量が許す限り)いつでも自由に再ダウンロード出来るのです。

 電子書籍端末の魅力は唯一つ、「その端末でどれだけの本が読めるのか?」にかかっています。
 Amazonが日本の各出版社とどういった交渉をし、条件を取りまとめているかは定かではありませんが、「4月発売」に踏み切ったからにはそれなりに商品ラインナップを充実させたからだと見て間違いはないでしょう。

 但し、先に紹介したKindleの利点、つまり「安さ」は失われてしまう可能性があります。

Amazon、日本で4月にKindle Touchを発売予定
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1202/14/news062.html

 こちらの記事では、KindleTouch3Gが日本価格2万円で販売されると紹介されています。
 KindleTouch3Gはその名の通り、先にご紹介したKindle4の上位機種で、Wifiの他に3G回線を搭載したモデルです。そんなのどうでもいいから安くしてくれよ……と思うのですが、何か事情があるのでしょうか?(ただたんに「日本の電子書籍端末ってたけぇからこれでも売れんだろww」と思われてるように思えてならないわけですが……)。

 というか、アメリカでは150ドル程度のはずなので、1ドル=80円換算にしても値段が合わないような……うーむ。

 また、個人的には、AndroidタブレットであるKindkeFireきてくれと思うのですが、今のところ公式では特にコメントは無いようです。残念。



 さて、それなりに商品ラインナップを充実させたからだと見て間違いはないと言いましたが、それが僕の適当な見立てでないという事の裏づけとして、次の記事をご紹介します。

電子版同時発売可能に=講談社
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201202/2012022000779
> 講談社の野間省伸社長は20日の記者会見で、著作権者の承諾が得られた全新刊書について、紙の本の刊行と同時に電子書籍を配信できる態勢を、6月からスタートさせると明らかにした。

 電子書籍の欠点の一つとして、「刊行時期の遅さ」が挙げられます。
 例えば、前編で例に挙げた「ちはやふる」ですが、今月、その最新巻である16巻が発売されます。
 しかし、電子書籍として買えるのは、現在7巻までです。

 このように、実際の本と電子書籍の販売時期には、致命的なズレがあります。
 電子書籍は常に、現実の本の後追いを続けているというのが現状です。

 このニュースは、その致命的なズレが修正される可能性がある事を示唆しています。
 もっとも、本当に同時発売になるかどうかはまだ「検討中」との事ですが、こういった態勢を整える事自体、大変歓迎すべきニュースだと言えますね。

 AmazonのKindle発売と時を同じくしてこういったニュースが飛び出してくる事には何らかの因果関係があると考えるのは、僕の邪推でしょうか?

 邪推ならごめんね、えへへえへ。



 閑話休題。
 Kindleが発売し、電子書籍業界が大きく動くであろう4月に向けて、意外なところも動き始めています。

セブン&アイ、3月から電子書籍事業を開始へ
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1202/29/news042.html

 セブンイレブンいい気分になりやがってこの野郎なセブン&アイも、3月から電子書籍業界に参入します。
 セブングループは既にセブンネットショッピングを抱えていますが、そちらで電子書籍の販売を開始するという事のようです。日経の記事では3月から4万5000冊のタイトルを販売するようで、かなり大型の参入になりますね。

 そのセブンネットショッピングですが、早速電子書籍の販売が始まっていました。

セブンネットショッピング・電子書籍・コミック
http://www.7netshopping.jp/dgbooks/

 まず目に付くのが「7net先行配信!池上彰の相手に「伝わる」話し方」という文字ですね。
 こういった企画が出来るのは大手の強みですね。
 電子書籍ストアが乱立する中で、こうした「先行配信」のような独自の企画を行えるのは、大きなアドバンテージになると思います。

 また、記事中では「セブンイレブンの店舗内に設置されている公衆無線LANにアクセスした場合にのみ購入できるオリジナルタイトルなどの販売にも注力」ともありますね。

 セブン店頭のオリジナル雑誌と言えば、小学館とタッグを組んで販売している「ヒーローズ」がある事は皆様ご存知だと思います。

セブン-イレブン 小学館とコラボ 専用の月刊漫画誌 11月1日創刊
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110919/biz11091922160007-n1.htm

 こういったコンテンツを電子書籍でも用意していくという事なのでしょう。
 これが成功すれば、「ジャンプを買いにコンビニに行く」と同じような感覚で、「セブン専売の電子書籍を買いにセブンに行く」というような時代が来るかもしれません。

 セブンが独自のWifiスポットを設置した事は、一時期話題になったので、記憶にある方もいらっしゃると思います。それに関する下記のような考察もいくつか見られました。

■セブンスポットはじまったな - (旧姓)タケルンバ卿日記(ご結婚おめでとうございます!)
http://d.hatena.ne.jp/takerunba/20111130

 このエントリの中で、ルンバさんは「(Wifiスポットという)新たなサービス開始によって「セブンイレブンに行こう」という来店動機が増えるのも大きい」という話をされていますが、この電子書籍サービス、ひいては独自コンテンツへの注力は、まさにこの「来店動機」を増やす事に目標を定めた戦略だと思います。

 まさかこういった形でWifiスポットを利用するとは思っていませんでしたが……。



 また、間接的にも電子書籍業界を発展させるのでは? と目されているニュースもあります。

【出版】日販、本「買い切り」導入へ協議 出版社・書店と
http://pika2.livedoor.biz/archives/3864295.html
(日経記事リンク切れのため、2chまとめサイトへリンクしています)

 買い切りとは、まぁ簡単に言えば「今まで書店が行っていた、出版社への本の返品が不可能になる」とでも思ってください。

 この制度が出版業界全体に導入されれば、本屋は売れ筋の本しか取り扱いをしなくなる事は想像に難くありません。
 売れるか売れないか微妙な本は本屋もわざわざ入荷しないでしょうし、本屋が入荷しないとなれば、そもそも出版社も本を出すかどうかは怪しいでしょう。

 その点、電子書籍での出版ならば在庫管理面でのリスクは存在しないわけで、「電子書籍化が進むのでは?」との憶測が出ています。



4.最後に

 僕個人としては、電子書籍化はどんどん推し進めて行って貰いたいと思っています。
 電子書籍化の流れが進むのであれば、それが国内主導であろうと国外(というよりはAmazonという事になるでしょうが)主導であろうと構いません。

 とにかく、電子書籍のスタンダードをまず作って欲しい、その事を切に願います。
 現状でもある程度、電子書籍を利用する事は可能です(その場合の選択肢はiOSかAndroid端末になるでしょう)。
 ですが、乱立する電子書籍ストアでは「どこで何が売っているか」を見比べるのは非常に困難ですし、アプリごとに「棚」を管理しなければならない(現状では、A店とB店から買ってきた本を同じ棚で一括管理する事が出来ないのです)という煩雑さもあります。

 また、電子書籍ストアには「本との出会い」がありません。
 皆さんも書店へ足を運んだ際、表紙やタイトルに惹かれて買う予定のなかった本を買ってしまった……というような経験はないでしょうか?
 そういった出会いは、現状の電子書籍ストアでは望むべくもない事です。

 願わくば、2012年という年が、これらの問題になんらかの進展がある年になる事を願っています。

 それでは、今回はこの辺で!

※追記(12/3/1 13:40)

 と、書いた端から大きいニュースが飛び込んできましたね。
 我ながらタイムリーすぎて笑ってしまいましたが

角川グループ、Amazon.com(アマゾン)と「Kindle(キンドル)」向け電子書籍の配信契約を締結
http://www.shinbunka.co.jp/news2012/03/120301-01.htm

角川グループの全出版社がKindle向けに電子書籍を配信する契約を締結
http://gigazine.net/news/20120301-kadokawa-kindle/

 いくらか抜粋しますと、

>角川書店、アスキーメディアワークスエンターブレイン角川学芸出版富士見書房メディアファクトリーなどのグループ傘下の全出版社が契約を締結した。
「価格決定権」はアマゾン側が持つ。

>新潮社や学研ホールディングス、小学館も新刊の電子化を目指しているとのことで、2012年中には新刊が普通にKindleで読めるようになりそうです。

 というわけで、こうなるとやはり上の方で取り上げました講談社のニュースも、Amazonの影響という事になりそうですね。

 また、価格決定権をAmazonが持つ、というのも、大きなポイントになりそうです。
 何故なら、米AmazonではReaderStoreなどに比べて大幅に安い価格で電子書籍が販売しているからです。
 これはAmazonが、「電子書籍自体で利益を出すのではなく、そのリーダーに付随するサービスあれこれで利益を出す」という戦略を取っているためです。
 Kindleで新刊が読め、さらに安いとなれば、Kindle一人勝ちの体制となりそうです。

 ちなみに、記事中にもありますが、KindlePC・スマフォに対応したアプリもありますので、やはりAmazon強しという事になっていくのかもしれませんね。

「あの人が電子書籍を出したんだって!」「で、どのリーダーなら読めるのさ?」(電子書籍についての軽いまとめ) 前編

 先ずは、知人が電子書籍デビューということで おめでとう ございます

 この記事は一月頃に書いて一旦お蔵入りにしようとしていたんですが、まなめさんやしんざきさんといった知人が電子書籍を出版され、また、ここ一ヶ月で電子書籍を巡る状況も大きく変化したという事で、ここらで一発、改めて書いておこうと思い手をつけました。

 趣旨としては、誰もが名前は聞いた事があってもイマイチピンと来ていないであろう(まぁ、僕がそうだったので調べたわけですが……)電子書籍の現状を、なんとなく皆さんにお伝えしようというものです。



 さて、こういった記事を読みました。

スマートフォンでの閲覧に適した、日本初の新しいコンセプトの電子書籍
「impress QuickBooksTM」を2月下旬より刊行開始
http://www.news2u.net/releases/94477

 記事を軽く読むと、どうやら「気軽に読み捨てられる新書未満のもの」を目指しているようですね。
「多くの人が知りたい旬の話題をスピーディに電子書籍化して刊行」というコンセプトからすると、「その時興味のある話題に対して、気軽に手早く知識欲を満たせる物」としての立ち位置を狙っているのでしょう。
 媒体がスマートフォンメインであるのも、通勤、通学の最中のお供に、という事なのでしょうね。

 特筆すべきは執筆者にブロガーなどを採用している点で、これは(所謂はてな界隈などの)「知識欲を満たす為に情報を日常的に摂取ている層」を最初から引っ張ってこようという狙いがあるのでしょう。

 さて、その電子書籍についてです。
 皆さんも「電子書籍」という名前くらいは聞いた事があると思いますが、その実態についてはどうでしょうか? 恐らく、ほとんどの方が電子書籍というものの中身についてはご存じないのではないかと思います。

 それも当然で、現在の電子書籍界隈は「混迷を極めている」としか表現できないのが現状です。

 まず「電子書籍を読むには何が必要なのか?」というところから始まり、

「電子書籍リーダーは何を選べばいいのか?」
「自分が選んだリーダーで○○の本は読めるのか? 読めないのか?」
「PCでも読めるのか」
「あっちの店とこっちの店で同じものが売っているが、何が違うのか?」etc...

 電子書籍に関する疑問は尽きません。

 正直に言いますと、これらの全てを把握するのは困難です。
 そこでここでは、皆さんに代表的な電子書籍リーダーや、書籍の販売サイト、電子書籍に関するニュースなどを取り上げて、簡単にご理解いただければと思います。

1.電子書籍を読むもの、「電子書籍リーダー」
 さて、まず電子書籍リーダーに関してですが、世に電子書籍リーダーは数あれど、購入を検討すべきものは(現状では)以下の通りかと思います。

A.Sony「Reader」
http://www.sony.jp/reader/contents/?s_tc=jp_ad_reader001_Og_01_0113

B.Amazon「Kindle4 wifi
http://www.amazon.com/gp/product/B0051QVF7A/

C.Amazon「Kindle Fire」
http://www.amazon.com/Kindle-Fire-Amazon-Tablet/dp/B0051VVOB2
(上記二つは現在米Amazon経由でしか購入できません)

D.AppleiPad」シリーズ
http://www.apple.com/jp/ipad/features/

E.各種スマートフォン

 ここではこれらをふまえ、各種を軽くご紹介していこうと思います。

A.国産では圧倒的なアドバンテージを持つSony「Reader」
 ReaderはSonyが発売している電子書籍リーダーです。
 5型と6型があります。個人的には6型の方が見やすいかなと思います。
 5型では単独で書籍の購入を行う事はできませんが、6型にはWifiタイプと3G+Wifiタイプがあり、単独で電子書籍を購入・閲覧することが出来ます。

 画面には電子ペーパーを採用しており、目に優しい事がウリのひとつとなっています。
 僕も店頭でReaderを見てみた事がありますが、この電子ペーパーというのがかなりスゴイ。
 まるで紙に印字されているような錯覚を覚えるほど、自然に文字が表示されます。

 一回の充電で、物によっては約7週間バッテリーが持ちます。
 長時間バッテリーが持つというのも、電子ペーパーを使用した電子書籍リーダーの利点ですね。 

 しかし、Reader最大の利点は、その取り扱い書籍数にあります。
 Readerには「Reader Store」という専用の電子書籍販売店があるのですが、2012年2月時点でのReader Storeの取り扱い品目数は40000点を数え、(公式の声をそのまま信じるのであれば)毎月2000点もの書籍が追加される予定となっています。

 その取り扱いも幅広く、例えば現在(2012/2/28)アニメが放送中の「ちはやふる」などのコミックがあるかと思えば、アガサ・クリスティポアロシリーズ「ABC殺人事件」があったり、はたまた「涼宮ハルヒの驚愕(後)」なんてラノベがあったりもします。


ちはやふる(7)
http://ebookstore.sony.jp/item/BT000012720800700701/

ABC殺人事件
http://ebookstore.sony.jp/item/BT000014717800100101/

涼宮ハルヒの驚愕(後)
http://ebookstore.sony.jp/item/BT000014477600100101/


 値段的な面ですが、これは正直ピンきりですが、大幅に安いという事はあまりありません。
 先にあげた三冊を見比べてみると、

           書籍価格    電子書籍価格
ちはやふる       440円      420円
ABC殺人事件       840円      700円
涼宮ハルヒの驚愕(後) 580円      576円

 となっており、比較的新しめの書籍に関してはほとんど値引かれていない事がわかります(まぁ、サンプル不足と言われればそれまでですが……)。

 こういうのもありますね。

不思議の国のアリス(多田幸蔵訳)
http://ebookstore.sony.jp/item/BT000012243500100101/

 ちなみに上記の本は多田幸蔵訳と説明中にあるので、恐らく1975年に旺文社文庫から出たものだと思われます。違ってたらすみません。当然の事ながら絶版です。古本屋なら安く手に入るかもしれませんが……。

 絶版なので値段の比べようがないですが、420円なら手軽な気もしますねえ……。
 たくさん出ているからかアリスは複数登録されており、

不思議の国のアリス(新潮社)
http://ebookstore.sony.jp/item/BT000013376900100101/

 こちらの不思議の国のアリスは、何故かAmazonの商品の方が4円安いです。なんだそりゃ。

 また、Readerは紀伊國屋書店BookWebや楽天イーブックスストアとも提携しており、どちらのストアで買った電子書籍も、Readerで読む事が出来ます。

 紀伊国屋やイーブックストアにも、結構本がありますね。
 僕が密かに読みたいと思っていた「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている」とか。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=9986709636&TYPE=EBOOK

 これは315円と、書籍版(630円)に比べると実に半額という、大層な値引率です(2/28現在)。
 たまにこういう物を見つけるとお得な気分になりますね。

 最初に話題にした「impress QuickBooksTM」もReader対応なので、読む事が出来ます。



 さて、ここまでは利点を多く述べてきましたが、もちろん欠点もあります。

 まず第一に、電子ペーパーは白黒だという事です。
 小説を読むならそれで構わないのですが……例えば、僕が電子書籍を多く活用するであろうマンガやラノベといったジャンルでは、「表紙絵」というのはかなり重要なファクターです。
 その表紙絵が、なんと! Readerでは白黒でしか表示されません。

 これは正直、かなり致命的と言わざるを得ません(多くの読者の方には馬鹿馬鹿しいと思われるかも知れませんが、同意してくださる方は少なからずいるものと信じています)。

 また、これは電子ペーパー全体に言えることですが、ページをめくる際にかなりの「ちらつき」が出ます。特に読書自体に問題はないのですが、見栄えがあまりよくないです。

 さらに、電子書籍販売店の中にはiOSやAndroid端末でなければ読めないものがあるのですが、そういった電子書籍はReaderで読む事が出来ません。

 そして恐らく最大の障害と思われるのが、その値段です。
 5インチでWifiや3G無し、内蔵メモリ2Gのモデルで9980円。
 6インチ3G+Wifiの最上位モデルになると、実に25800円(いずれもソニーストアでの価格)になってしまいます。

 電子書籍最大の障害は「電子書籍リーダーが高い事」の一言に集約されると思います。
 Readerは個人的にかなり魅力を感じている商品なのですが……。



B・C.Amazonが放つ黒船は日本市場を席巻するか? Amazon「Kindle4 wifi」「Kindle Fire」
 ご存知、Amazonが発売している電子書籍リーダーです。
 KindleはReaderと同じく電子ペーパーを用いた電子書籍リーダーで、KndleFireはiPadに代表されるようなタブレット端末です。もっとも、その用途の殆どは電子書籍リーダーとしての機能に特化しています。

 スペックや現時点での利点はそれぞれ、

Kindle4:
 6インチディスプレイで電子ペーパーを使用、稼働時間は約一ヶ月程度、内蔵メモリは2G(ユーザーが利用できるのは1.25G)、3GモデルはなくWifiのみなどなど……がありますが、正直細かい事を抜きにしてぶっちゃけ安い! それが一番の魅力です。

 1ドル=80円と計算しても9000円で買えます。
 もっとも、これに送料がかかるので、結局のところ1万は超えるわけですが……。

KindleFire:
 7インチフルカラー、IPS液晶! なのでラノベやマンガの表紙がカラーで見られる!
 現時点ではこれが最大のウリです。
 内部メモリーは8G(ユーザーが利用できるのは6G)で、通信方式はWifiのみ。AndroidOSを使用しています。

 まぁ、これもそこそこ安いですね。
 1ドル=80円換算で16000ちょっとで買えます。

 KindleとKindleFireの利点は以上です。


 え? 
 と思われた皆さん。嘘ではありません。
 現時点でのKindleは、利点よりも圧倒的に欠点が多い商品です。

 まず、現状では日本で販売されておらず、米Amazonを経由してしか購入できません。

 次に、Amazonの電子書籍販売店「KindleStore」では和書の取り扱いがありません。よって、もしKindleを手に入れたとしても現状では(自炊したもの以外)洋書しか読めません。
 KindleFireにはクラウドストレージサービス(購入した物はいつでもAmazonから自由にダウンロードできる)があるのですが、洋書ばかりではご自慢のクラウドストレージもあまり意味を成しません。

 また、Amazon Appstore(Amazonの立ち上げたAndroidMarket)は認証が必要なため、アメリカ国内でしか使用できず、日本では本当にただの自炊した本が読める板にしかなりません。

 さらに、これは仕方のない事ですが、KindleFireの稼働時間は8時間程度と、通常の電子書籍リーダーに比べると稼働時間の面で大幅に劣ります。

 もっとも、これらの欠点は「そもそも日本で売っていない商品を日本で使用する」という歪みによって生まれているもので、Kindle自体は大変魅力的な商品だと思います。
 KindleStoreにしても、米国のAmazonはReaderStoreと比べて遥かに安い価格で書籍販売したりするので、もしそれが日本でも実現すれば、Kindleは日本国内でも魅力的な商品となるでしょう。

 そして、それはそう遠い事ではありません!

米Amazonが電子書籍端末『Kindle』を4月国内発売へ、無料でドコモ回線を利用
http://appllio.com/news/20120211-1589-amazon-kindle-release-in-japan



D.日本でもおなじみ、電子書籍リーダーとしても使えるAppleiPad」シリーズ
 これの説明が必要でしょうか?
 手にいれ易さやOSのサクサク具合、豊富なアプリ、国内での知名度、電子書籍店の充実した対応、画面の大きさから可読性抜群など、利点の枚挙には暇がありません。

 紀伊國屋書店Kinoppyやebookjapan、BOOKWALKERなどの電子書籍店もiOSに対応しており、特に電子書籍専門の端末を持つことに意義を感じないのであればこれで十分ではないでしょうか?

 欠点らしい欠点も見当たりませんが、強いて言うなら「電子書籍リーダーとして手に入れるには高い」という事でしょうか。Wifi版でない限りソフトバンク回線もついてきて、鬱陶しいことこの上ないかもしれません。



E.画面が小さく可読性最悪。だが……「各種スマートフォン
 初めに言っておきますが、スマートフォンは電子書籍リーダーとして向きません。
 操作もし辛く、「電子書籍リーダー」として見た場合、欠点しかないでしょう。
 しかし、スマートフォンにはそれを補ってあまりある大きな魅力が備わっています。

 それは、「電話である」という事です。

 携帯電話は、現代社会において必需品の一つです。
 よって、既に貴方の手元にある可能性が大変高いでしょう。
 もし、貴方が既にスマートフォンを持っているのなら、大した手間もなく電子書籍を閲覧することが可能になるわけです。

 電子書籍最大の障害は、先ほども触れましたがその「値段」です。

 わざわざ本を読むのに、何故初期投資しなくてはならないのか?

 これから電子書籍を利用とする人間には、常にその疑問が付きまとうでしょう。
 スマートフォンはこの最大の障害を廃し、気軽にユーザーと電子書籍とをつなぐ架け橋なのです。


 長くなりましたので(ていうか飽きたので……)、いったんここで筆を置こうと思います。
 次回は電子書籍の取り扱い店や電子書籍自体の問題点について、ニュースを交えつつご紹介出来たらなと思います。

 それでは!

 

※追記
というわけで、後編を書きました
http://blue876.hatenablog.com/entry/2012/03/01/131745